呉竹、筆ぺん等の開発技術を活かした化粧品ODMを本格化

粧業日報 2021年11月24日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 22年には化粧品分野のマーケティング機能強化に向けてNB製品を展開
呉竹、筆ぺん等の開発技術を活かした化粧品ODMを本格化
 筆ぺんをはじめとする筆記具や書道用品の開発・製造・販売を行う呉竹(本社=奈良市)は、2020年11月に化粧品製造販売業を取得して化粧品容器の製造からバルクの開発、充填、包装・仕上げまで自社で一貫して行える生産体制を整え、化粧品OEM業界に本格参入した。

 22年には、化粧品分野のマーケティング機能強化に向けてNB製品を展開し、化粧品ODMの強化につなげていく考えだ。

 今年9月に新社長に就任した山際義敬氏に、今後の化粧品事業の成長戦略について話を聞いた。

 ――コロナ禍が長期化しています。自社の状況はいかがですか。

 山際 コロナ禍の長期化でどの業界も厳しい市場環境になっていると思うが、筆記具・文房具業界は、コロナ禍以前より逆風が吹いている状況である。ペーパーレス化やデジタル化にともない、2017年を境に市場環境は厳しさが増し、当社の主力商品である筆ぺんも年賀状ニーズの減少の影響を受けている。

 市場環境の変化対応策として、当社は、デジタル化が進めば進むほど、人は侘び寂びや安らぎを求めてアナログに回帰していくとの考えを持ち、1990年代後半に「アート&クラフト」事業を立ち上げ、新たな市場開拓を目的とした商品づくりを推進してきている。

 コロナ禍の状況にあって、21年2月に自分でお気に入りのインクを入れ、オリジナルのペンを作れる「からっぽペン」が「文房具屋さん大賞2021」で大賞を受賞するなど、このアート&クラフト事業が、外出自粛や行動制限によって増えた「おうち時間」をキャッチアップし、好調に推移している。

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