マツモト交商、レモンの果皮を有効活用した感触改良剤が増加

週刊粧業 2021年12月6日号 9ページ

マツモト交商、レモンの果皮を有効活用した感触改良剤が増加
 マツモト交商は、クリーンビューティに対応する原料メーカー・メルク社の原料提案に力を注いでいる。

 メルク社では、スキンケア向け原料から、パール顔料、機能性体質顔料まで幅広い原料を取り揃えており、エコサート認証・コスモス認証を取得した製品を用意しているほか、全ての工場でハラール認証を取得しているという。また、マイクロプラスチック代替品も展開している。

 そのほか、天然由来の感触改良剤(乳化安定剤)「ファイバーデザイン」(カーギルビューティー社)も積極的に提案してきた。同品は、特殊技術により、レモンの皮のファイバーに多糖体・スクレロチウムガムを複合化したもので、これにより、幅広いpH安定性、耐塩性、優れた感触改良効果を実現する。

 今まで廃棄されていたレモンの果皮部分を有効活用しており、環境に優しい原料となっている。

 「同品は、アップサイクル原料として注目を集めており、国内での採用実績も出てきた」(同社)

 また、日本製紙の「セレンピアCS-01C」は、植物由来のバイオマス素材で、サステナブル原料として引き合いが増えているという。

 木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材で、植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴だ。

 従来の増粘剤と併用して使用することで、耐塩性の向上やべたつき防止など感触面での差別化も期待できる。また、温度変化による粘度変化が少なく、高温でも高い粘度安定性がある。スキンケアやメークアップ、ヘアケア、顔料分散効果を活かしたサンケア、医薬部外品にも使用可能だ。

 コロナ禍においては、バーチャル展示会などのデジタル発信も積極的に行ってきた。一方で、リアル開催のセミナーも徐々に再開しつつある。

 「今後もより価値ある情報提供を行っていくため、可能な範囲でリアルセミナーを再開していく方針だ」(同社)
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