資生堂 魚谷雅彦社長、再び成長軌道へ

週刊粧業 2022年1月17日号 5ページ

資生堂 魚谷雅彦社長、再び成長軌道へ
 昨年も新型コロナウイルス感染症が世界中の人々や私たちのビジネスに厳しい影響をもたらす中、全世界の社員が「Solidarity(連帯)」を合言葉に一丸となり、本業を通じたさまざまな取り組みを行いました。マスクにつきにくいファンデーションや、マスクへの色移り防止と発色を持続させる口紅など、生活者ニーズの変化に迅速に対応した商品開発を行いました。

 また、正しい手指の消毒による感染予防と手洗いや消毒による手荒れを防ぐハンドケアの呼びかけを通じて、全国の医療従事者の方々に敬意と感謝の意を伝えるため「資生堂 Hand in Hand Project」を立ち上げ感染予防に取り組みました。さらに本プロジェクトを通じて、医療活動の支援を目的に対象商品の利益を公益社団法人日本看護協会に寄付しました。

 昨年、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を策定しました。当社は、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、スキンビューティー領域をコア事業とする経営改革を実行し、2030年までにこの領域における世界№1の企業になることを掲げています。

 その中で2021年は「変革と次への準備」の年と定め、事業ポートフォリオの再構築として、パーソナルケア事業のさらなる成長と発展を目指すための事業譲渡や、化粧品の3つのブランドとフレグランスブランド等の構造改革を進めました。また、変化する市場環境に迅速に対応するデジタル・トランスフォーメーションを加速させるため、合弁会社を設立しました。

 今年は「再び成長軌道へ」の年と位置づけ、当社の強みであるスキンケア領域のブランド革新とマーケティングの集中強化を行い、グローバルな成長を目指します。

 2022年は、資生堂は創業150周年を迎え、さらに新たな未来を切り開くための一歩を踏み出す「希望」の年となります。

 企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」のもと、美の力を通じて社会の課題解決や発展に寄与するための大きな節目となり、環境問題やダイバーシティの実現という社会課題に対して、さまざまなイノベーションに積極的に取り組み、世界中の人々を美しく、笑顔に溢れ、希望に満ちた日々を創出して参ります。

 そして、生涯を通じて一人ひとりの健康美を実現する「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY」を掲げ、美の力を通じて「人々が幸福を実感できる」サステナブルな社会を実現します。その取り組みとして、全世界約4.6万人の社員とともに経営ビジョンを考えるプロジェクトを発足し、社員と力を合わせて未来の資生堂を創ります。
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