コーセー、汎用UVケア成分がサンゴ成育に影響しないことを確認

粧業日報 2022年2月22日号 4ページ

コーセー、汎用UVケア成分がサンゴ成育に影響しないことを確認
 コーセーは、沖縄のサンゴ養殖の専門家である金城浩二氏と連携して、造礁サンゴに対する化粧品成分の影響を適切に評価できる実験系を構築し、日やけ止めに汎用される7種類の紫外線防御成分は環境濃度において、サンゴの成育に影響を与えないことを確認した。

 日やけ止め料に含まれる一部の紫外線防御成分はサンゴの成育への悪影響が報告されており、米国ハワイ州などのサンゴ礁を有する地域で販売や持ち込み、使用が禁止されている。一方で米国パーソナルケア製品評議会(PCPC)では科学的根拠が十分でないと懸念しており、紫外線から人々を守る有効な手段である日やけ止め料の使用を控えることには慎重な姿勢をとっている。

 同社ではこのような状況を踏まえて、2009年から継続している雪肌精「SAVE the BLUE」プロジェクトによるサンゴ保護の取り組みを研究領域にも広げ、2019年11月から「海に入る人の肌を紫外線から守りながら、サンゴにもやさしい化粧品の開発」を目指して金城氏との共同研究を開始した。

 今回、造礁サンゴの代表格であるウスエダミドリイシに対する化粧品成分の影響を適切に評価する実験系の構築を行い、環境濃度における7種類の紫外線防御剤のサンゴ成育への影響がないことが明らかになった。

 サンゴへの紫外線防御剤の影響を正確に検証するためには、紫外線防御成分が均一に存在している海水環境でサンゴを飼育し、その状態を客観的に評価する必要がある。そのため、新たに「健全なサンゴ飼育方法」「海水中への紫外線防御剤の均一な分散方法」という2つの方法を確立し、サンゴへの化粧品成分の影響を適切に評価できる実験系を構築した。

 なお、サンゴの状態の評価方法については、専門家による外観評価に加え、クロロフィル蛍光測定法(PAM)による生化学的手法を採用した。これは造礁サンゴと共生する植物プランクトンの光合成活性を測定する手法であり、高ストレス下ではこの活性が低下することから、目に見えない成育への影響を、サンゴを破壊することなく評価することができるという。

 上記の検討で確立した実験系を用いて、日やけ止めに含まれる代表的な紫外線防御剤7種類のサンゴへの影響評価を行った。今回評価したのはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ポリシリコーン-15、オキシベンゾン-3、酸化亜鉛、酸化チタンとなる。

 実験濃度は、実際の環境濃度を担保することを想定し、沖縄近海で過去に検出された紫外線吸収剤の最大濃度に基づき、それを十分に上回る濃度に設定した。検体には造礁サンゴの1つであるウスエダミドリイシを用い、それぞれの紫外線防御剤の存在下で2週間の飼育実験を行った。

 目視評価の結果、どの検体においても、サンゴの成育に異常は見られなかった。また、PAMによる光合成活性測定においては、どの水準も実験前後で統計的な有意差は確認できなかった。以上から、日やけ止めに汎用される7種の紫外線防御剤は環境濃度において、サンゴの成育に影響は及ぼさないことが確認できた。

 今回の研究により、化粧品成分がサンゴに与える影響を高い信頼性をもって評価できる手法が確立できたことから、これを応用することで、日やけ止め製剤そのものや他の化粧品成分についてもサンゴへの影響評価が可能となる。

 研究成果を活用し、「海に入る人の肌を紫外線から守りながら、サンゴにもやさしい化粧品の開発」を実現していく。
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