メナード、オオムギエキスに歯ぐきの幹細胞の機能を高める効果を発見

訪販ジャーナル 2022年5月2日号 4ページ

カンタンに言うと

  • オオムギ・ラフマ・ジュンサイの混合エキスが歯ぐきの炎症と口臭を予防
メナード、オオムギエキスに歯ぐきの幹細胞の機能を高める効果を発見
 日本メナード化粧品は、愛知学院大学 歯学部 歯周病学講座との共同研究から、オオムギエキスに歯ぐきの幹細胞(歯肉幹細胞)の機能を高める因子を増やす効果を発見した。

 また、オオムギ、ラフマ、ジュンサイを組み合わせたエキスに、歯ぐきの炎症とコラーゲンの分解を抑える効果、口臭成分の発生を抑制する効果を見出した。

 これらの植物エキスは新しいオーラルケアへの応用が期待され、今後、これらの研究成果をオーラルケア商品の開発に応用していく。
 
 歯ぐきを維持するためには「コラーゲン」が重要で、しっかりものを噛めるように歯を支える役割を担っている。しかし、歯ぐきの腫れや出血を引き起こす炎症(歯肉炎)などによって上皮のバリア機能が低下し、歯周病菌の影響を受けやすくなり、コラーゲンが壊されるとともに歯肉線維芽細胞のコラーゲンの生成能力が低下してしまうため、これを修復するには、「歯肉幹細胞」と呼ばれる歯ぐきの幹細胞にコラーゲンを供給する必要がある。そこで同社では、歯肉幹細胞の機能を高めるメカニズムや成分の探索を進めた。

 研究では、歯肉線維芽細胞にオオムギエキスを添加して培養したところ、歯肉幹細胞の機能を高めるタンパク質FGF2の産生促進が認められた。この結果から、オオムギエキスは歯肉線維芽細胞からのFGF2の産生を促進し、このFGF2を介して歯肉幹細胞の機能を高めることで、新しい歯肉線維芽細胞を生み出し、歯ぐきの維持・再生を促すことがわかった。

 また、歯肉線維芽細胞に歯周病菌由来LPSを添加し実験的に歯肉炎を起こさせたモデルに、3種の植物(オオムギ、ラフマ、ジュンサイ)から抽出したエキスを添加して培養したところ、炎症性サイトカイン(TNF-α)とコラーゲン分解酵素(MMP3)の遺伝子発現が抑制された。この結果から、3種の植物エキスには、歯ぐきにおける炎症とコラーゲン分解を抑え、すこやかな歯ぐきを保つ効果があることがわかった。

 続いて、口臭成分であるメチルメルカプタンを人工的に発生させる実験にて、3種の植物エキス(オオムギ、ラフマ、ジュンサイ)あり、なしの条件で発生量を比較した。その結果、3種の植物エキスによりメチルメルカプタンの発生量が抑えられた。3種の植物エキスは、口臭の発生段階に作用することで、口臭防止に効果的であることがわかった。

 この3種の植物エキスと殺菌剤等を配合した洗口液を1日3回(朝食後、昼食後、夕食後)、3カ月間使用した試験では、歯ぐきの出血率は1/5程度に減少し、歯肉炎の改善が確認された。また、歯ぐきの赤みや腫れの改善も確認された。さらに、口臭の指標として口腔ガス中のメチルメルカプタン濃度を測定した結果、3カ月後には使用前の1/3程度に低下し、口臭の改善に対する効果が確認された。
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