証券アナリストに聞く2022年下期の化粧品業界展望【市場編】

粧業日報 2022年7月4日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 厳しい環境が続く中、業績回復の兆しも
  • 4~6月の大手各社業績に注目、インバウンドには期待と懸念も
  • 生活変化の定着でダウント傾向、インバウンドでトレンド転換へ
証券アナリストに聞く2022年下期の化粧品業界展望【市場編】
 2022年もコロナ禍の状況が続いているが、国内化粧品市場は徐々に回復基調を見せている。経済産業省が発表している化粧品出荷統計では今年3月が前年同月比10.3%増、4月も9.9%増で推移した。

 昨年は4月から緊急事態宣言の期間に入り、その反動でプラス成長が続くと見られる。足元では訪日外国人の受け入れがスタートし、インバウンド需要の再拡大への期待感も高まってきている。

 化粧品・日用品業界を調査・分析する三菱UFJモルガン・スタンレー証券・インベストメントリサーチ部の佐藤和佳子シニアアナリストに、22年上期の振り返りと下期の展望を聞いた。

4~6月の大手各社業績に注目、
インバウンドには期待と懸念も

 ――2022年国内化粧品業界の状況をどう見ていますか。

 佐藤 上場各社の2022年第1Q(1~3月)の状況や全国の百貨店の売上高などの統計を踏まえると、22年1~3月の国内化粧品市場は前年同期比プラス2%程度で推移したと見ている。

 ――化粧品大手4社(資生堂、花王、コーセー、ポーラ・オルビスホールディングス)のうち、22年1Q(1~3月)の国内売上がプラスで推移したのは花王だけとなりました。この結果については。

 佐藤 オミクロン株の感染拡大にともなう「まん防(まん延防止等重点措置)」の影響はたしかにあったと思うが、資生堂やコーセーは前年実績のハードルがそれほど高くなかったはずなので、想定よりも厳しいスタートになったと思う。

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