証券アナリストに聞く2022年下期の化粧品業界展望【個別企業編】

粧業日報 2022年7月5日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 国内はインバウンド回復機運も中国は節約ムードで成長鈍化
  • 資生堂、欧米の構造改革は進展、3工場新設による収益改善に期待
  • コーセー、日本・中国想定より苦戦、堅実な業績見込みの死守へ
  • 花王、G11の育成順調で収益性改善、中国における長期的成長に期待
  • ポーラ・オルビスHD、国内売上低迷が課題、H2O PLUS清算は適切
証券アナリストに聞く2022年下期の化粧品業界展望【個別企業編】
 2022年もコロナ禍の状況が続いているが、国内化粧品市場は徐々に回復基調を見せている。経済産業省が発表している化粧品出荷統計では今年3月が前年同月比10.3%増、4月も9.9%増で推移した。

 昨年は4月から緊急事態宣言の期間に入り、その反動でプラス成長が続くと見られる。足元では訪日外国人の受け入れがスタートし、インバウンド需要の再拡大への期待感も高まってきている。

 化粧品・日用品業界を調査・分析する三菱UFJモルガン・スタンレー証券・インベストメントリサーチ部の佐藤和佳子シニアアナリストに、22年上期の個別企業の動向と下期の展望を聞いた。

資生堂、欧米の構造改革は進展、
3工場新設による収益改善に期待

 資生堂/22年12月期の第1Qは日本と中国の実績が厳しかったので、2Q以降、計画見直しも必要になってくるだろう。

 ただ、アジアの成長市場を見据えてスキンケアに特化していく戦略や欧米市場の収益性改善に向けた構造改革は着実に進められており、その成果も表れてきている。

 ロシアへの輸出停止による影響も、円安と好調な欧米市場でオフセットできると同社は見ているようである。

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