花王、髪色を部分的に変えることで印象が変化することを確認

粧業日報 2022年9月30日号 4ページ

カンタンに言うと

  • ナチュラルブラウンの髪にはピンクをプラスすることでフェミニンな印象に
花王、髪色を部分的に変えることで印象が変化することを確認
 花王は、デザインカラーに使用する色と印象の関係性を調査し、髪色を部分的に変えることで印象が変化することを確認した。今回の発見を応用すると、髪の毛全体の色を変えなくとも、毎日のおしゃれにデザインカラーをプラスするだけで簡単に印象をチェンジすることができるという。

 近年、メークのように自分で簡単にカラーをオン・オフできるアイテムを用いれば、その日の服装や髪型、気分に合わせて楽しむこともできることから、部分的に髪色を変えるデザインカラーが人気となっている。しかしながら、デザインカラーによって自分の目指す印象に近づきたいと考える人が増える一方で、デザインカラーと印象についての研究はまだ進んでいないのが現状だ。そこで今回、デザインカラーに使用する色と印象の関係性について調査を行った。

 赤系や青系、紫系などの12色をそれぞれ使用し、髪色がナチュラルブラウンの女性にデザインカラーを施した写真12枚を用意した。10名の20代女性に写真を見せ、「フェミニン」「キュート」「モード」「ゴージャス」の印象を、各写真からどのくらい感じるか、「全くそう感じない」を0点、「非常にそう感じる」を100点として評価してもらった。

 回答を分析した結果、最も多くの対象者が「フェミニン」に感じると回答したのは「黄色系」と「ピンク系」の場合で、「キュート」では「赤系」と「緑系」、「モード」では「青系」から「赤紫系」の4色、「ゴージャス」では「赤紫系」の回答率が高い結果だった。つまり、デザインカラーに使用する色によって印象が変わることが明らかとなった。

 今回はナチュラルブラウンの髪色で調査したが、興味深いことに、同じ調査を髪色が異なる条件(暖色系や寒色系)で行うと、印象変化に寄与するデザインカラーの色に違いがみられた。この違いを詳しく解析したところ、髪色とデザインカラーに使用する色の差(色相差)が印象変化により重要であることが示唆された。

 今後の研究で、それらの関係性を紐解くことによって、一人ひとりの髪色を考慮したデザインカラーの提案が可能になる。将来的には、このような印象研究の知見と、これまでのヘアカラー商品開発の知見を合わせ、多くの人が髪色によるおしゃれを楽めるサービスの開発を目指す。


ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 花王、髪色を部分的に変えることで印象が変化することを確認

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop