サンスター財団、2022年度金田博夫研究助成基金贈呈式を開催

粧業日報 2023年3月10日号 5ページ

サンスター財団、2022年度金田博夫研究助成基金贈呈式を開催
 サンスターがお口の健康増進のために学術研究や社会貢献などを支援している一般財団法人サンスター財団は2月17日、2022年度金田博夫研究助成基金贈呈式をサンスターコミュニケーションパークにて開催した。

 同財団による若手研究者の海外留学助成は、2009年の金田博夫研究助成基金設立を機にスタートした。口腔と全身の健康の関連性解明や、全身の健康増進に向けた医科・歯科など多職種連携による医療・保健の向上への貢献を目的として、これまでに国内の大学の医科・歯科の若手研究者17名の留学を支援している。

 22年度は、「クリスパースクリーニングを用いたベージュ脂肪細胞への分化促進と熱産生亢進の新規因子の発見と治療応用」をテーマに、今年4月からHarvard Medical School Beth Israel Deaconess Medical Centerへ留学する京都府立医科大学循環器・腎臓内科学教室 病院助教 樋口雄亮氏を表彰した。

 主催者を代表して挨拶した牧山義仁理事長は、「サンスターがニューヨーク州立大学へ留学生を派遣したのは1979年まで遡り、それから10年後の1989年にG・U・M(ガム)ブランドを日本へ導入した。財団としては、1986年に日本で第1回国際シンポジウムを開催し、以来世界各地でシンポジウムを行い、我々が目指すお口の健康と身体全体の関係を科学的に解明していく活動を続けてきた。こうした活動が評価され、2003年にはサンスターグループCEOの金田博夫が、民間人として初めてアメリカ歯周病学会の名誉会員に選ばれた。2009年に設立された基金ではこれまで、ハーバード大学医学付属ジョスリン糖尿病センターなど、様々な研究機関に若手研究者を派遣している。サンスター財団の極めて重要な事業として今後も未来永劫続けていきたい」と語った。

 続いて、サンスターグループ 執行役員 消費財研究開発担当の森茂樹氏が自らの留学経験を踏まえて祝辞を述べた後、選考委員長の村上伸也氏(大阪大学大学院歯学研究科教授)が選考講評を行った。

 村上氏は、「日本にいる優秀な研究の志を持った人を海外へ送り出し、将来的に海外と日本、医科と歯科との懸け橋となってくれるような人を育成することが非常に重要である。本年度もそれに基づいて選考を行い、最終的に8名の中から様々な観点から評点付けをして、書類だけでなく人柄も見るためにインタビューを実施した。その中で樋口先生は研究の志が高く、自身の意見を持っておられ、気持ちの良いコミュニケーションが高く評価された」と述べた。

 最後に、財団創設者の金田博夫氏が挨拶に立ち、「変化のスピードがますます早くなっており、今後3年間はグローバル全体で政治や経済、医学の世界において大きな変化が予測される。アメリカを中心とする世界の先端技術や文化に触れ、医学・科学の分野において若手研究者の方々が活躍されることを心から期待したい」と結んだ。
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