東陽化成、生産キャパシティ強化に注力

週刊粧業 2023年8月28日号 10ページ

カンタンに言うと

  • 2023年度は2ケタ成長で推移
東陽化成、生産キャパシティ強化に注力
 東陽化成では、自社工場にて化粧品・医薬部外品の一貫製造を行っている。

 コロナ禍においては、独自の粉体技術を活かして、マスクにつきにくいベースメークを提案したほか、カラーコスメも製造できることから、アイシャドーやアイブローが好調に推移してきた。色物に関しては、落ちにくさだけでなく発色にこだわり、他社との差別化を図っている。

 また、小ロット対応の強みを活かし、スキンケアアイテムに色を付けたり、スティック状にするなど、ユニークでチャレンジングな処方にも積極的に対応している。

 2023年度は2ケタ成長で推移しているといい、ファンデーションやルースパウダー、白髪隠しパウダーやスティック状のヘアワックスなどが伸長傾向にある。

 5月のCITE JAPAN 2023では、フェムテックの提案も行っており、デリケートゾーンを健やかに保つウォッシュ、セラム、生理痛をケアするアイテムなどを展示した。

 「フェムテック関連に関しては、ボディケアや女性の悩みに寄り添うコンセプトを掲げるブランドなどを中心に引き合いをいただいている。試行錯誤しながら、お客様のニーズに合わせた提案を行っていきたいと考えている」(常務取締役 平山友一氏)

 なお、リアルとオンラインを併用した営業スタイルにより顧客数が増加していることから、今後は生産キャパシティ強化に取り組む方針だ。特に引き合いの多いワックス系のアイテムの生産量を増やすため、新たな充填設備の導入を検討しているほか、人材面では引き続き採用を強化しながら、自動化や効率化も並行して進める。

 「現在いただいている案件を着実にこなしていきながら、さらなる成長に向けた技術開発と設備強化に注力していく。来年の化粧品開発展では、トレンドを意識しながら、これまで積み上げてきた技術を活かした新提案を行う予定だ」(平山氏)
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