カネボウ化粧品 前澤洋介社長、グローバルにおける“強いブランドづくり”を推進

週刊粧業 2024年1月1日号 40ページ

カネボウ化粧品 前澤洋介社長、グローバルにおける“強いブランドづくり”を推進
 2023年を振り返りますと、アフターコロナにより、生活者の外出機会が増加し、化粧品市場にも活気が戻ってきました。国内市場では、メイク市場やインバウンド需要の回復がみられます。一方、世界に目を向けると、地政学的リスクの影響も一定程度受けることが想定されます。花王化粧品事業では、グローバル戦略を加速させるべく取り組みを進めておりますが、一つのエリアに頼らず、エリアバランスをとりながら事業を推進したいと考えております。

 さて、花王は昨年、「グローバル・シャープトップ戦略」を新たに掲げ、全社をあげて推進してまいりました。化粧品事業がこれまで進めてきた“強いブランドづくり”も、まさしくこの戦略に則ったものであると思っております。はじめは小さなセグメントからでも、各ブランドが、ブランドパーパスに基づいた活動をしっかりと推進し、そのセグメントで№1ポジションを獲得していく。

 そして、お客さまの選択肢の中に、常に入るような、お客さまにとって、なくてはならないブランドとなっていく。それを徐々に拡大させ、やがては日本を含むグローバル市場において№1を獲得するブランドになる。こういったブランドを多数有し、グローバル市場でベスト10に入る事業体になることが、私がめざすKao Beauty Brandsの姿です。

 昨年は、その“強いブランドづくり”において、しっかりと結果を出すことができた一年でした。当社の強みのカテゴリーであるベースメイク市場では、「KANEBO「SUQQU」「RMK」「LUNASOL」から大変ユニークなファンデーションを発売し、高い評価をいただきました。

 また、「TWANY」からは、花王の独自成分を配合した最先端の美容液「スキン オーラジェニック」を発売。パーパスブランディングな取り組みとしては、新フェムケアライン「TWANY&me」を発売し、“美しさのリズム”に基づいた美容提案をフェムケア領域まで広げました。「LISSAGE」も、ヘアケアライン「LISSAGE VOGNE(リサージ ヴォーニュ)」をリニューアル発売するなど、コラーゲン研究をベースに次々と新しい商品提案をしてまいりました。これらが奏功し、ブランド全体の実績を引き上げております。

 2024年は、引き続き「グローバル・シャープトップ戦略」、すなわち“強いブランドづくり”を力強く推進してまいります。グローバルで育成していくブランド群「G11」のうち、「SENSAI」「MOLTON BROWN」「CuréL」をファーストランナーと位置づけ、組織構築や人財育成などグローバル化推進における基盤づくりを行います。

 まず「SENSAI」は、昨年10月に中国・上海に旗艦店をオープンいたしました。上海を皮切りに、ドミナント戦略を遂行し、中国の他の都市、次いで他のアジアでも展開していく予定です。「MOLTON BROWN」は、アジア各都市に旗艦店を配置し、伸びゆくアジアのプレステージフレグランス市場で存在感を拡大してまいります。「CuréL」は、日本で培った乾燥性敏感肌へのソリューション(セラミドケア)を、風土や肌質の違う他のアジアにおける肌悩みの解決にまで拡大させ、強みを活かしていきます。

 さらに、セカンドランナーの筆頭には「KANEBO」「KATE」を位置づけ、戦略的に投資を拡大していきます。すでにパーパスドリブンなブランディングにより、国内売上が大変好調に推移しておりますが、その存在感を本格的にアジアまで広げていくべく、準備を進めております。

 多くのお客さまがリアルの売場に戻られている中で、ブランドと商品をより魅力的に磨き上げていくためには、お客さま起点で考えた、モノづくり、ひとづくり、お店づくりが重要であると考えます。お客さまに「またあのお店に行きたい」「またこの商品を使いたい」と思っていただけるよう、販売店の皆さまとともに取り組んでいきたいと願っております。
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