資生堂 藤原憲太郎社長COO、徹底した生活者視点でブランドを強化する

週刊粧業 2024年1月1日号 40ページ

資生堂 藤原憲太郎社長COO、徹底した生活者視点でブランドを強化する
 世界中で猛威を振るってきた新型コロナウイルス感染症もついに転換点を迎え、昨年は人々が日常と笑顔を取り戻していく光景を目の当たりにすることができました。その中で当社は、美の力を通じてお客さまを、社会を、そしてビューティー業界を元気にしていきたいという想いを込め、「みんな、いい顔してる。」という企業メッセージを発信しました。

 豊かな表情が行き交う毎日の美しさ、喜びを伝えるとともに、専門店さまをはじめとする日本全国の店頭ではお得意先さまと社員とが一丸となってカウンセリング紹介活動を積極的に行い、お客さまそれぞれの「いい顔」を応援してきました。

 昨年は「守り」から「攻め」に転じる躍動の年として、中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」を策 定し動き出しました。本年も引き続き、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、構造改革と重点領域への投資による高収益構造への転換を図ります。

 その中でも、日本事業の収益基盤の再構築は、中期経営戦略の達成に向けて最大のカギとなります。日本オリジンの企業として、日本事業には新たな価値を創造し世界に発信していく責任があります。市場が回復しつつある今こそ、徹底した生活者視点でブランドを強化し、お客さまに支持され続ける強い組織を作り上げていきます。加えて、既存の商習慣・ルールにとらわれず今一度ビジネスモデルを見直し、持続的な成長を遂げるための抜本的な変革を断行します。

 専門店事業においては、攻めのマーケティングのもと皆さまと協働で取り組んできた昨年の成果を一時的なものとせず、2024年はさらなる飛躍を遂げ、次の100年の成長実現に向けた始動の年にしたく考えております。当社が有する肌に対する知見やお客さまのデータなどのテクノロジーと、専門店さまの絶対的な強みである“人”を通じたコミュニケーションを掛け合わせ、肌・身体・心に寄り添ったパーソナルな提案力をともに磨き上げてまいりたい所存です。

 同時に、安定した中長期的な成長に向けて、新領域での事業開発にも取り組み、イノベーション創出に注力します。具体的には、ウェルネス領域展開への第一歩としてインナービューティー事業の新ブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS(シセイドウ ビューティー ウエルネス)」を発売いたします。2030年のビジョン「Personal Beauty Wellness Company 」の実現を目指し、スキンビューティー領域をさらに拡充し、ビューティーとウェルネスが融合した新たな価値を創造します。

 当社は、「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指し、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまのニーズの変化に素早く対応し、今後もよりよい商品やサービスを提供していきます。
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