スタッフの自主性を尊重し年率10%の成長を続けるコスメティック バズ〈埼玉・桶川市〉

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スタッフの自主性を尊重し年率10%の成長を続けるコスメティック バズ〈埼玉・桶川市〉

状況に応じた最善の接客サービスを実現する化粧品店

 コスメティック バズ (売場面積30坪) は、JR桶川駅 (西口) 直結の商業施設 「桶川マイン」 の2階に位置する。地域最大級の化粧品店で、かつ大宮や都心へ通勤、通学する人が立ち寄るため、店前におけるサンプル手配り等により新規客を獲得し順調に業績を伸ばしてきた。

 しかし、周辺エリアに大型ショッピングモールが相次いで建設された影響を入居している桶川マインも少なからず受け、新規客の獲得が図りづらくなっており、希少性の高いブランドの導入や店頭活動の強化により克服しようとしている。 そこで今回は、現在の活動状況や今後の方向性などについて、飯島康司オーナーと金田麻衣子さんに話しを伺った。

南仏のリゾートを意識した外観と
20脚もの椅子が癒し空間を演出

  コスメティック バズは、1961 (昭和36年) に青木化粧品店として創業し、桶川マインのオープンを機に1988年 (昭和63年) に 「コスメティック バズ」 として再出発を果たした。当時の桶川には、 商業施設が存在せず、ビジネスの拡大が十分見込めると判断しての出店だった。飯島オーナーは、オープン当初より店の成長する姿を長年見続けてきた。

 現在の店名は先代が命名した。「BUZZ (バズ)」 という言葉が示すとおり、たくさんの蜂が飛び交っているような賑やかな店にしたいという、先代の想いが込められている。

 オープンから6年目までは順調に成長カーブを描いていたが、7年目あたりにバブル崩壊後の余波が少し遅れて訪れ、客数と客単価の減少に見舞われた。さらにドラッグストアが近隣に進出し始めたこともあり経営と販促活動を見直さざるを得なかった。

 ちょうどその頃に、5坪ほどあった化粧雑貨コーナーを廃止し化粧品売場を拡張 (10坪→15坪) するとともに大型改装も実施し、フリー客がメインの回遊性の高い売場から専門店ならではのカウンセリング重視の売場へと移行。さらに7年前には隣接店の撤退により化粧品売場を現在の30坪へと拡張していった。1年半前からは、内外美容が盛り上がりつつあり、若年層の獲得が期待できるとの判断から酸素カプセルを導入している。

 お店のコンセプトは、化粧品を通じて癒しの空間を提供したいという想いから「コスメティック リゾート」に設定。そのコンセプトが店外からでも伝わりやすいよう、 瓦やタイルを使うなど南仏のリゾートを意識した店舗設計となっている。

 最大の特徴は、椅子の数が多いということ。高さがそれぞれ異なる椅子を合計20脚も用意。そうすることで、来店客がごく自然に座れるような環境をつくっている。

9月に導入したばかりのイグニスに
新客獲得が図れるブランドとして期待

  同店では、7年前の売場拡張を機にアルビオンとの取引を開始した。 飯島オーナーはその経緯について、「再販制度が撤廃された中で、アルビオンは経営姿勢がブレないメーカーなので、売場さえ確保できれば導入したいと思っていた」とその当時を振り返る。また、その良さについては、「基本の4ステップをもとに、愛用者が育成できるシステムをきっちり構築している。C&Cを活用した美容活動の提案が最大の特徴だ」と説明する。

 同店は、7年前の売場の大幅な拡張とアルビオンの導入により、年率10%近い成長を続けてきたが、近隣に大型SCが建設され始めた2~3年前ぐらいから、フリー客の集客が図りづらくなってきたため、その打開策として、今年9月に 「イグニス」 を導入した。

  「ストレスを抱えている人が多い、今の時代にマッチしたブランドだと思う。11種類のハーブを使っており、癒しを訴求できるため、幅広い客層にアプローチできる。アルビオンが若年層を惹きつける力を持っている一方、イグニスは客層が幅広く独特な世界観があるため、建物自体の高齢化の影響を多少なりとも受けている当店にとっては、新たな出会いが創出できるブランドだと期待している」 (飯島オーナー)

 その期待感は、売場レイアウトにも表れている。 店頭でも一番目立つところにイグニスのマルシェ型ワゴンを設置。お店のイメージをより一層引き立てることに一役買っている。また、ワゴン内でアロマを焚いているので、店前の通行客も香りに誘われてワゴンに近づき、商品を手にするといった形で新客獲得にもつながっているという。

 実際に導入後は、イグニスを通じて新客獲得が以前よりも増幅した。幅広い客層からの支持が期待通りに図れるとともに、これまで遠方に足を運んでイグニスを購入していた層まで取り込むことに成功。ブランドの希少性を改めて実感しているという。「アルビオンを知る、知らないに関わらず、イグニス独自のお客様づくりを図れるので、無限の可能性を持っているブランドだと思う」と飯島オーナーは今後の展開に期待をかける。

他店でも同じ化粧品が扱われる中、
この店で買いたいと思ってもらう工夫を

  アルビオンを担当している金田さんは、来店客への基本姿勢について、「お越し頂いた皆様には必ずお声掛けし、くつろいで頂くように努めています。おいしい水をお出しすると喜んで頂けるので、その後のタッチング、水分油分の計測などがスムーズに行えます。特にアルビオンの化粧品は乳液先行型の特徴ある商品ですので、必ずサンプルをお渡しすることを心掛けています」と説明する。

 そして、「乳液が先だとその後に使う化粧水が入り込まないのでは?」 など、乳液の使用経験がないことからくる種々の不安を取り除きつつ、乳液の良さをしっかりと伝え、現在使用中の化粧水がたとえ他社製品であっても乳液を使用することのメリットを伝えるように努めているという。

 その結果、「これまでとは化粧のりが全然違った」 など、これまで持っていた価値観を転換してもらった時、つまり 「お客様にアルビオンの乳液のよさを実感し感激して頂いた時が何より嬉しい」(金田さん)と語る。

 また、金田さんは他店との差別化を図るためには、「この店で買いたい」と思ってもらうことが何より重要だと力説する。他の化粧品店や百貨店でも同じ化粧品が取り扱われる中、たとえ購入せずとも遊びに来てくれるぐらいまで信頼関係を構築することが重要であり、それを実現するには台帳管理が欠かせないという。また、1度でも来店された女性の名前は必ず覚えるように心掛けている。そこまで出来て初めて感動が与えられるからだ。

今後は恵まれた立地を活かし
若い世代の全方位での取り込みを

  飯島オーナーは、「全てはお客様のために」 という理念を具現化するため、スタッフの自主性を尊重している。決して放任ではないが、押しつけでもない「スタッフにやりがいを持たせる」というこうした考え方は、マニュアルに頼るのではなく、能動的に自ら考えて行動する人で埋め尽くしたいというオーナーの強い意思の表れでもある。

 また、目標設定の段階でほぼ9割方は決まることからミーティングについては内容を重視。可能な限りスタッフ本人に活動目標や新規獲得目標を考えてもらうようにしている。というのは、自ら進んで立てた目標を成し遂げた際の達成感や喜びが格段に違うからだ。個人的な目標はもちろん、チームとしての目標も立ててもらっている。それは、喜びを分かち合うことでチームとしての結束力が強まり、その結果として最強の組織が形づくられるとの考えが根底にあるからだろう。

 今後の抱負については、「立地には恵まれているので、学生さんや子連れのお母さんなど若い世代をオールマイティーに取り込んでいきたい。それが全体を通じての課題。年率10%近く伸びてきているいい流れはこれからも継続していきたい。また、スタッフには今の自分がベストと言えるよう常に進化して欲しい」と話す飯島オーナーに対し、「化粧品を買いに訪れるだけでなく、ご来店頂くこと自体が楽しく、心も癒されると思って頂けるような、そんなお店にしたいですね」 と金田さんは笑顔で語ってくれた。

 〈店舗概要〉 所在地=桶川市若宮1-5-2 おけがわマイン2F (JR桶川駅西口徒歩1分) ▽営業時間=10時~20時▽休業日=年中無休▽電話=048-787-6630 (バズ)、 048-787-6603(オーツールームバズ)▽ホームページ=http://www.okegawa-mine.co.jp/shop0210.html

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