化粧品容器の三洋化学工業、CITE Japanにて次世代型ジャーを多数提案

カンタンに言うと

化粧品容器の三洋化学工業、CITE Japanにて次世代型ジャーを多数提案

 化粧品容器メーカーの三洋化学工業は「CITE Japan(サイト ジャパン)」での趣向を凝らしたブースづくりで業界の注目を浴びてきた。井上厚弘社長自らテーマを策定し、社員や舞台装飾のプロがそれを具現化していく。今回のブーステーマは「天空城~オリントピア~」。雲の上にそびえる壮大な天空城のオブジェが来場者を迎える。井上社長にブースの見どころとビジネスの現状を語ってもらった。

今回のブーステーマは“天空城”、雲の上にそびえる城がお出迎え

 「オリントピア」とはオリンポスとユートピアの造語で、ギリシャ語に由来する。“雲の上にある天空城“のテーマ通り、雲をイメージした白い床にはその隙間から見える町並みまで描ぐこだわりようだ。

 「実は震災に配慮してシンプルなブースも考えたが、むしろ少しでも景気づけになるようにと、従来の路線を続けることにした。作り込んだブースではあるが、自社での手作りの部分もあり、良心的な業者にも恵まれて費用は通常の1/3程度で賄えている」

 「CITE Japan」には第2回から出展し、第3回から自社で明確なテーマを打ち出し始めた。

 第3回のブースはレトロモダンなテイストにこだわった。コレクティブな家具を持ち込み、LPレコードをかけるなど懐かしさと新しさを融合させた独特な世界観で話題を呼んだ。

 「その当時はライトアップした白系のブースが多かったので、茶系で床も木目調だった当社のブースはとても目立つ存在だった。照明も電球色で暖かみのある雰囲気を出した。会社のロゴマークを初めて打ち出した展示会でもあった」

 第4回のテーマはイギリスの田園地帯をイメージした「ザ・ガーデン」。まるで屋外にいるかのように緑に囲まれたブースを作り上げ、大きなシンボルツリーの什器が印象的だった。

 「この回は、またレトロモダンの路線でいくのではという周囲の期待を裏切る内容だった。毎回違うテイストでいくのが当社の戦略。別の展示会では架空の遊園地をテーマに賑わい感のあるブースをつくった。ブースづくりへのこだわりが当社の最大の特徴の1つである」

高透明度の「イーリス」を導入、エコ&デコの究極のジャー容器も

 展示会では大容量ジャー容器「ウォルク」を新提案する。肉厚を薄くしたことで従来比で30%樹脂の使用量を削減して軽量、エコロジーを実現した。「ウォルク」とはオランダ語で“虹”を意味する。サイズは250㏄と300㏄で、成形の生産性がよいため、コスト面でも優位性を持つ。

 次世代型容器「イーリス」も展示する。ギリシャ語で“虹”を意味する。

 精密なイラストやグラデーションなどを描いたフィルムを二層の樹脂の間に挟み込む「エウレカ」の進化バージョンだ。フィルムの外側に透明度が高く、比重の軽いハイミュラン樹脂を、内側にPPを使用した。

 「ハイミュランは耐衝撃性があり、クリスタルに近い透明度を持つのでフィルムにQRコードも載せられる。低温で成形できるので生産時のCO2の排出量が少なく、エコロジーにもつながる」

 今回はエコロジー容器「テコ」の改良版も披露する。

 「『エウレカ』タイプの容器内部にPPのリフィルジャーをはめ込んだもの。これにより、エコロジーと、高級感のある夢現デコレーションが同時に実現可能となった。先ずは50㏄から展開し、シリーズ化していきたい。リフィルは長めの爪でも簡単に取り外せる。これぞ究極のジャー容器と言えるだろう。これでジャー容器は一通り出揃った」

 このように、ロングセラーを続ける「ミスティ」に続く新容器の開発に余念がない同社では、2011年4月期の売上げが2ケタ伸長を遂げ、30億円を突破した。東日本大震災を踏まえ、インフラと人員の分散対策にも乗り出した。今期は工場における品質保証と供給体制をさらに強化していく構えだ。

※CITE Japan 2011注目企業「三洋化学工業(株)」編コチラ

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