美容スクールの最新動向(現状・今後・課題)~高齢化社会に向けホスピタリティ強化校が増加

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美容スクールの最新動向(現状・今後・課題)~高齢化社会に向けホスピタリティ強化校が増加

 文部省の基本調査によると、2011年度の全国専門学校生徒数は57万4152人で、美容学校はそのうち3万4669人だった。美容学校数が全国に266件ある中、各校、入学生徒数の確保が至上命題となっている。

 ヘアやメーク、エステティックといった美容産業の市場規模は、調査によると昨年度は8兆9118億円という。震災以降、モノの豊かさから心の豊かさを求める傾向が高くなったとされており、「心の豊かさを叶える美容産業は、今後も発展の余地がある」(業界関係者)と考えられている。

 しかし、顧客の減少や来店サイクルの長期化などの課題がある美容業界は、追い打ちをかけるように、人口減、少子高齢化とさらに問題が舞い込んできており、市場や顧客ニーズの変化に迅速に対応する必要性に迫られている。そこで、美容学校の多くは、在学中からサロンインターンなどの現場実習を重ね、入社後の実践の場で臨機応変に動くことができる「対応力」のある人材の養成に注力している。

 近年は、サービス業の中でも特に美容に携わる職業に必要な「おもてなしの心」をテーマに教育を実践している学校が増えており、ベルエポック美容専門学校では独自に「おもてなし検定」を来年度にも実施する予定だ。資生堂美容技術専門学校では、人間的魅力を磨き、おもてなしの心を重視した教育方針を掲げている。

 おもてなしの心の養成は、顧客との対話力の向上のみならず、職場の同僚や上司と良好な人間関係を築くことができるようになるため、結果として他人を慮ることにもつながる。短期離職率が高いとされるサロンにおいて、その要因の一つに人間関係も挙げられており、おもてなしの心を養うことで、結果的に離職を防止することができるとされている。

 目下、日本が直面している課題の少子高齢化に順応すべく、ホスピタリティ教育を強化したカリキュラムを導入している学校もある。山野美容専門学校では「美容福祉」のほか、今年度から高齢者との向き合い方を学問的側面から捉えた「現代ジェロントロジー」を開講している。

 在学中からこうした知識を習得し、国内市場の変化に柔軟に対応できる人材を多く輩出していくことが、ヘアだけでなくコスメやエステティックなどビューティビジネスの今後の発展には必要不可欠と言える。

 今回は、教養の深い人材を育成しながら、「今後数十年にわたって生き残る」ために他にない特色を打ち出している美容スクールを紹介する。

※写真は東京ヘアメイク専門学校の校舎外観。

美容スクールの最新動向・記事掲載スクール】
◎資生堂美容技術専門学校~3年連続で全学科の就職率100%を達成、徹底した就職対策と人間教育が奏功
◎東京ヘアメイク専門学校~コーセーが全面的にバックアップ、受け継がれる「人づくりを大切に」の理念
◎タカラ美容専門学校~関東で唯一、5年連続100%の美容師国家試験合格率を達成
◎ハリウッドビューティ専門学校~総合教育施し美容スペシャリスト養成、経営者育成の大学院や学会も順調
◎山野美容専門学校~自分の志を明確にするカリキュラム、超高齢化社会に対応する授業がスタート
◎シーズ・インターナショナル・カレッジ~都内有力のネールスクール、ジェル強化しポスト松下氏を輩出
◎ベルエポック美容専門学校~おもてなしの心養成する独自検定通じマニュアル超えた接客能力の向上図る

【PDFダウンロード】「2012年美容関連スクールの最新動向はこちら

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