花王カスタマーマーケティング(花王CMK)高橋社長、サプライチェーン全体の効率化を推進

カンタンに言うと

花王カスタマーマーケティング(花王CMK)高橋社長、サプライチェーン全体の効率化を推進

 花王カスタマーマーケティング(花王CMK、高橋辰夫社長)は2013年度、4月に発売する「ヘルシアコーヒー」に代表されるような新たな市場を創造する新製品の開発と、市場を活性化する改良品の育成に引き続き取り組む。

 化粧品事業では、「アンサーブック」「ナビシート」など新たなツールを駆使した接客力の向上と関連販売の強化をめざす。

 また導入が確実視される消費税増税を見据え、物流管理機能を統合した「カスタマートレードセンター」を中心に販売店と協働してサプライチェーン全体の効率化を推進する。

 高橋社長に、今年度の経営課題を中心にインタビューした。

上期は前年同期を上回る業績を達成
10月以降も順調で通期で増収増益へ

 ――昨年度は厳しい状況の中で、小売業各社も様々な動きがありました。

 高橋 小売業界ではグループ化の動きがますます加速しています。大手を中心とするもの、中堅が大手に対抗して結束するものなど再編の流れが続いています。一方、ドラッグストアやコンビニエンスストアが食品を強化するなど、業態を超えた競争も一段と激しくなっています。ネットスーパーも利用者が拡大しています。

 こうした状況の中で、お客さまの購買行動も大きく変化しています。インターネットも一つの情報収集手段として定着してきましたが、一方でリアルな店舗で、信頼できる情報や商品を選びたいというニーズも高くなっています。このように店頭における情報発信やマーチャンダイジングがますます重要になってきました。

 ――花王CMKの昨年度の販売活動状況はいかがでしたか。

 高橋 ポイントは3つあります。第1は、新製品、改良品の効果的な展開です。

 有力販売店懇談会、コラボレーションフェアなどを通じて、ご販売店様との情報交換を密にして、ブランドの育成のための店頭展開をスピードアップさせました。具体的には、発売前の活動、オンタイムの活動、発売後のフォロー活動を、育成プロセスの一連の流れとして捉え、日常的な業務に落とし込んでいます。

 その成果の一つが、昨年4月に発売した「ソフィーナ クッション泡洗顔料」です。弾力性のあるクッション泡という際立った商品特性を、店頭でのコミュニケーションを通じて訴求したことで、制度品の洗顔カテゴリーで№1のシェアを獲得しました。

 この商品を購入した6割の方が、ソフィーナの購入が初めてということで、大量の新規顧客の獲得に成功しました。

 2011年秋に発売した50代をターゲットとするベースメークの「プリマヴィスタディア」も、ユーザーが拡大し、このカテゴリーで継続的に№1のシェアを獲得しています。

 第2は、企画・プロモーションの開発とお客様視点の売場づくりの推進です。

 昨年度は、花王のラインアップの多さを活かして、衣料用洗剤、住居用洗剤、消臭芳香剤などでカテゴリーを横断した「香り・家事提案」を展開しました。

 ご販売店様からは「新規顧客の獲得が期待できる」「販売点数のアップにつながる」などの声をいただき非常に好評でした。これからはシリーズ企画として取り組む方針です。

 第3は、代行店とのパートナーシップに基づく効率的なエリアカバー活動です。

 当社の直販ウェイトは95%を超えていますが、全国津々浦々をカバーするためには、代行店様は必要不可欠です。新製品説明会、情報交換会、各種勉強会の開催や、セールスの同行、販売先の配荷フォロー活動など、営業支援活動を継続して進めています。

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