化粧研究は化学の領域だけではなく、文化史や社会学、心理学、工学、医学など様々な領域からアプローチできるが、そこまで盛んに議論されてきた領域ではない。
しかし、研究によって科学的データが示され、それが化粧の新たな価値となっている成果も多い。
最近では、化粧を学問として体系づけ、研究者を育てることで業界の発展のみならず豊かな社会生活の実現に寄与したいとの思いから、大学院に「化粧学」について研究できる専攻科を国内で初めて設けるなどの動きも出始めている。そして、徐々に化粧研究のあり方も見直され、その重要性が指摘されるようになってきた。
また、化粧文化を学ぶことで、自分の価値を高めるというアプローチもある。
いずれにしても、共通して「化粧の可能性を広げること」が目的だ。観念的側面から語られることが多かった化粧効果に、確固たる根拠を持たせることで、新製品開発だけでなく医療や福祉など多様な領域にも活かすことができるようになる。
「価値を高める」方法は、化粧機能を向上させることだけとは限らない。業界関係者が、「『化粧品』というモノを売ることが最終目的ではない。化粧品は美を得るためのツールでしかなく、化粧行為というサービスを提供することが業界の役目だ」と指摘するように、化粧が何をするものかを追究することも「化粧研究」であり、化粧の価値の向上につながる。
今回は、多角的に化粧を研究する8団体を紹介する。(記事全文はこちら)
【記事掲載団体】
◎大阪樟蔭女子大学大学院~大学院初の「化粧ファッション学」開設、学問体系確立し社会の発展に寄与
◎東京工科大学~国内初の先端化粧品コースを展開、実学教育で即戦力となる人材育成
◎REIKO KAZKI~「リハビリメイク」を提唱し、医療から美容にアプローチ
◎日本顔学会~「顔」を軸に様々な研究が誕生、研究成果が製品の付加価値に
◎駒沢女子大学~化粧文化学通じ「人間力」を養う、資生堂による寄付講座も開講
◎コンシャスインターナショナル~メークセラピストの養成や企業研修、独自の「印象分析」などで認知度向上
◎食香粧研究会~食品と香粧品業界の垣根を越え多方面から香りの世界を研究中
◎スマイルサイエンス学会~感性工学から魅力的な笑顔を分析化粧による表情・印象の違いも研究
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この記事は週刊粧業 掲載
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