2014年上期(1~6月)のオーラルケア市場は、前年比約3%増(メーカー調べ)となった。歯ミガキが前年比4%増、歯ブラシが3%増、液体が5%増で推移し、歯間清掃具を含むデンタル用品は7%増、電動歯ブラシ(家電含む)は5%増となった。
3月の増税特需の影響で4~5月に反動を受けたが、増税前までの伸び率が高かったことや6月にはほぼ持ち直したことで、上期も前年プラスで推移した。この傾向は今後も続くと見られ、2014年は通年で市場が拡大することが見込まれている。「いい歯の日」を前に、各社の動向をまとめた。
高価格帯歯ミガキが市場を牽引
歯ブラシの価格帯も拡大傾向に
市場の約4割の構成比を占め、市場拡大を牽引している歯ミガキは、「250円未満」の低価格帯の構成比が縮小した一方で、「500~999円」の高価格帯で伸長が見られた。「1000円以上」の超高価格帯の構成比も2010年の14%から14年には17%となり、確実に成長している。ボリュームゾーンは「250~499円」で、歯ミガキの全体売上げのうち4割を占めている。
自分専用品を使用するパーソナル化が進んでいるカテゴリーであり、買い上げ点数が上がっていることも成長の追い風となった。
歯ブラシカテゴリーについては、個数に大きな変化は見られないが、やや価格構成比に動きがあり、250円以上の製品のシェアが拡大している。これは、近年のオーラルケアの啓発により生活者が歯ミガキと同様に高機能な製品を選んで購入していることが影響していると考えられる。
歯ブラシの固さは2011年に「やわらかめ」が「かため」を逆転して以降その差を広げ、今年4~9月には「かため」が約10%、「やわらかめ」が約16%となった。今後この差はますます広がり、「やわらかめ」が市場の約7割を占める「ふつう」を追い上げる可能性もある。
1989年から厚労省(当時は厚生省)と日本歯科医師会が推奨している「8020運動」や、2000年にスタートした「健康日本21」などによりオーラルケアへの意識が高まり、約20年前と比較して高齢者の残存歯数が増えていることも市場拡大に寄与している。
高齢になっても歯がきちんと残っているため歯周病などにもなりやすく、症状が多様化している結果、機能訴求型の高付加価値品を求めるようになり、個人の症状に合った製品を選ぶパーソナル化が進んでいる。
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この記事は週刊粧業 掲載
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