オルビス、創業以来初のポイント制度に舵切り

週刊粧業 2014年11月24日号 2ページ

カンタンに言うと

オルビス、創業以来初のポイント制度に舵切り
 ブランド再構築の柱の1つとして消費者とのコミュニケーションの変革を進めているオルビスが、通販上で9月末からポイント制度を新たに導入している。購入金額に応じて顧客を4つのステージに分類し、最大還元率を30%に設定するなど「まとめ買い」するほどポイントが貯まりやすくなるシステムを練り上げたという。

 顧客へのサービスを多様化することで愛用者との関係強化を図るとともに、将来的には直営店との連動を構想しているほか、外部のポイントカードとの連携も視野に入れ新客の取り込みにもつなげたい狙いだ。

 同社はブランド再構築の中核アイテムとして2014年2月に発売したスキンケアブランド「オルビス ユー」がヒットを飛ばすなど、業績は好調に動いている。そんな追い風が吹く中で打ち出した創業以来続く一律の割引制度からの移行は、社歴の上でも大きな変革といえそうだ。

 制度導入のキーマンである岩永利文取締役は、「再成長を目指すにはお客様とのコミュニケーションの進化が必要だった」と強調する。

 岩永氏にその狙いや制度のポイント、今後の運用計画を聞いた。

「再成長」目指すため
制度の見直しを決断

 ――業績が好調な中、創業以来続いていた制度の転換には大きな決断が必要だったと推測できます。どのような経緯や狙いがあるのでしょうか。

 岩永 まず、当社が進めている「ブランド再構築」には2つの目的がある。「商品価値の向上」と「コミュニケーションの変革」だ。

 商品では「オルビス ユー」が代表的で、好調に推移している。一方のコミュニケーションでは、One to One戦略をテーマに掲げている。だが、従来の割引制度ではOne to One戦略をさらに強化し、新規と既存のお客様をともに伸ばして成長するには難しいと感じていた。

 これまでの割引制度は創業以来、お客様にとっても社内にとっても当たり前のように存在していたもので、誰もがまさか変えるとは思っていなかっただろう。加えて、外から見たら業績も悪く見えていない。直属の通販事業部など社内でも反対意見を含めていろんな議論があったのは事実だ。

 ただ、次のレベルの「再成長」を目指すためにはお客様とのコミュニケーションを進化させる必要があると考えたとき、制度の見直しに踏み切る決断ができた。

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