エトヴォス 尾川社長に聞く、これまでの軌跡と今後の構想

C&T 2016年6月15日号 70ページ

カンタンに言うと

エトヴォス 尾川社長に聞く、これまでの軌跡と今後の構想
 国産初のミネラルファンデーションなどを通販を中心に販売しているエトヴォスが、創業10期目に入ってスキンケアの攻勢や直営店の運営など新たな試みで成果を上げている。

 尾川ひふみ社長が20代半ばで起業し、紆余曲折を経て近年は順調に売上げを伸ばして、今年4月には念願の直営店もオープンした。尾川社長に、これまでの軌跡と今後の構想について聞いた。




「オタク気質」が昇華し2児を抱え起業
UVパウダーのデザイン刷新が転機に

 ――創業当時の状況を振り返り、どんな思いですか。

 尾川 20代半ばに「大人ニキビ」に悩まされ、一念発起して「自分でつくろう」と踏み出したのが発端だ。まず前身の「アクネラボ」を起業し、ビタミンC誘導体のスキンケア商品の販売を開始した。

 ニキビ症状は軽減できたが、一方でメークをする度にニキビ悩みを繰り返す日常は変わらず、そんなときにミネラルファンデーションに出合った。

 ニキビを隠すことができるのに加え、クレンジング不要なので肌にも負担がかからない。虜になり、「日本で広めたい」と決意し、アクネラボを法人化して2007年にエトヴォスを立ち上げた経緯がある。

 それまでデザイナーやプログラマーをやっていたので化粧品とは畑違いだったが、もともと自分の関心や興味はとことん追求する「オタク気質」だったことが起業にまで昇華してしまったようだ。

 しかも当時は離婚後、0歳と2歳の息子を育てながらの社長業だった。今振り返ると恐ろしい。

 それでも、配合成分にこだわるコアなお客様を中心に感謝の言葉をいただける度に奮起し、次第にクチコミなどで少しずつ反響が広がっていった。

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