琉球コスメハウス、OEMの独自技術を国内外へ発信

週刊粧業 2016年7月25日号 7ページ

カンタンに言うと

琉球コスメハウス、OEMの独自技術を国内外へ発信
 沖縄県産の自然素材や独自の海洋深層水などを利用した化粧品のOEM事業を展開しているポイントピュール(沖縄県・久米島)が、同県那覇市にオリジナル商材の実店舗「琉球コスメハウス」を移転・拡張してから2年余りが経過した。現在、リニューアル後の売上げは1.5倍ほどに増えるなど順調な歩みを遂げている。

 OEM事業者が自社商品の販売に乗り出すのは異例といえるが、結果的にはそうした商材がOEMの開発・技術力をアピールするための貴重な営業ツールとなり、OEMの取引につながるケースが少なくないという。今年は久米島の本社と工場に隣接する場所にも新店を構えたほか、本島中部にも期間限定ショップをオープンするなど業容がさらに拡大している。

移転・拡張後、売上げ1.5倍
育毛ヘッドスパシステムが好評

 那覇市に「琉球コスメハウス」を拡張・移転したのは2014年春のことだ。2008年から前身の琉球コスメハウスを運営する中で得た自信と成果から、売場面積を従来の3倍ほどに広げて新たなスタートを切った。

 久米島の海洋深層水をベースに地元の自然素材を活用するなどした自社ブランド「Ryuspa(琉スパ)」を中心に、店内にはオリジナル商品がずらりと並ぶ。さらに、エステルームも完備し、その場で商品をトライアルできるサービスなども取り入れた。

 オープンから2年が過ぎたが、大道敦社長によると、売上げは移転前から1.5倍ほどに増加しているという。

 特に人気なのが、「Ryuspa」の「クチャ」(沖縄海泥)を使用した洗顔料「クチャ洗顔」(120g1800円)やシャンプーなどだ。クチャは毛穴の約1/40の大きさとキメ細かく、皮脂や頭皮汚れの吸着作用に長けている。

 そうした中、新たにクチャ配合のヘアケア商品を活用した独自のヘッドスパシステムを開発した。「頭皮クレンジングシャンプー」(400mL3800円)で洗った後、薬用育毛剤の「ヘア&スカルプエッセンス」(150mL4800円)などでケアする内容だ。那覇店のエステルームで3カ月ほど前からメニュー化しているが、これが導入直後から利用者の間で大きな反響になっているという。

 2年ほど前に医薬部外品の認証を取得したが、「部外品の育毛はどこもやっており、差別化する必要があった」とし、事前に毛穴につまった汚れをしっかり落とすことで、その後の育毛効果を最大限に引き出そうと試みたという。まだ発売から3カ月ほどとまもないが、「効果を実感しやすいと好評で、ヒットしている」といい、今後リピーターが続出しそうな気配を漂わせている。

 さらに、ここにきて同社の看板である海洋深層水への注目度も高まっており、「Ryuspa」の化粧水など関連アイテムの売れ行きが上向いているという。

 この久米島産海洋深層水を巡っては、先ごろ富山県立大学との長年にわたる共同研究の成果として、深層水を独自技術で分離・精製し、コラーゲンの産生促進効果のある水を開発していた。

 化粧品の開発においては、内容成分の多くを占める水が重要な役割を果たす。「安心・安全」といったイメージ訴求だけでも十分武器になりそうな海洋深層水だが、具体的な作用を新たに可視化したかたちだ。

 これが化粧水など「Ryuspa」商品の販売の追い風となっているほか、OEM供給先も「喜んでくれていて、エビデンスデータを販促に使用し始めている」と反響が広がっている。

 7月末に出展した台湾の展示会でも、この海洋深層水の新データを前面に押し出した内容でPRを仕掛けたという。

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