2020年の中国Eコマースにおけるクレンジングマーケットは110億元を超える規模である。マーケット売上の半分以上がクレンジングフォームとなっており、2019年の52%から8P増加している。
2番目に大きなマーケットシェアを占めているクレンジングウォーターは2019年に24%を占めていたが、2020年には急激に7%のシェアを失っており、クレンジングソープに至っては、45%以上売上が減少している。
一方、クレンジングオイルは現在9%を占めるマーケットではあるが、その売上を倍以上に伸ばしていることに注目したい。
メジャーチャイナのSNSダッシュボードでも同様のトレンドが読み取れる。
メジャーチャイナのデータでは、「乳化」(エマルジョン=Emulsion)や、「卸妆油」(クレンジングオイル)が2019〜2020年間、RED(小紅書)で急速に話題になっている「クレンジング&メイク落とし」関連キーワードである。
ここでいう「乳化」とは、本来溶けあわない水と油を混じり合った状態にするプロセスを指し、そうすることでメイクがきれいに落とせるオイルベースのメイク落としとなる。
また、他の肌のタイプに比べ、「敏感肌」に関する投稿数がRED上で最も多かったことにも注⽬したい。
「乳化」「卸妆油」「敏感肌」という話題になったキーワードをまとめると、 「敏感肌にも使えるメイク落とし用クレンジングオイル商品」を求めている中国消費者が増えていることになる。
では、2020年にはどのクレンジングオイル商品が中国ECで話題になっていたのか? メジャーチャイナのダッシュボードによると、クレンジングオイルで最も売れたトップ10ブランドには主に日本・中国ブランドが占めており、中でも最も販売された商品は中国ブランド「Lan(兰)」の「Hydrating W atery Cleansing Oil」であった。本商品のセールスポイントは次の4つである。
①水のようなテクスチャー
②自然由来の成分98%配合
③完璧なメイク落とし
④肌の栄養補給(「养肤」、肌の全体的な健康バランスを整える概念)
成分面でみると、本商品は肌への効能のため多種の果物成分およびシードオイルが含まれている。
*ココナッツオイル=メイク落とし効果を強化
*ローズヒップ=抗酸化
*ホホバオイル=毛穴のケア、黒ずみの除去
*メドウフォーム油=水分補給
一方、日本ブランドで売れ行きが好調な商品にはシュウ ウエムラの「アルティム 8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル」がランクインした。
本商品は人参や竹など自然由来の植物オイルを配合することで、メイクをより落としやすくし、健やかな肌を保つことができる。
【メジャーチャイナ】(記事提供元)
中国EC・SNSのビッグデータを収集し、ビジネスインサイトを提供するデータ分析会社。
中国で取引される1億7000万個のコスメ商品の売り上げ/価格/効能/原料等の属性別トレンド分析データ、レポートを提供。Unilever,AMOREPACIFIC,Johnson&Johnson等のグローバルブランド、証券アナリスト等が本社のサービスを利用。
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