マーナーコスメチックス、廃棄される卵殻を回収して原料化

週刊粧業 2021年8月30日号 10ページ

カンタンに言うと

  • サステナブルな仕組みでSDGsも
マーナーコスメチックス、廃棄される卵殻を回収して原料化
 国内3工場体制で化粧品・医薬部外品の製造販売を行うマーナーコスメチックスは、くりこま高原藤沢事業所(岩手県)内にある主力工場(以下、藤沢工場)にて、エコサート・コスモス認証やハラール認証の取得が可能なナチュラル・オーガニック志向の化粧品開発を特長にOEM事業を成長させている。

 コロナ禍の状況にあって、健康意識の高まりは食だけでなく美容でもオーガニック需要を生み出し、同社の2021年8月期は前期比2ケタ増収で推移する見通しだ。

 井田勝康社長は、堅調に推移しているブランドから、「コロナ禍のニューノーマルへの対応は、感染拡大の長期化とともに既にノーマルになったが、心の方は行き場がなく、ストレスやフラストレーションが溜まっている生活者が多いのだと思う。ストレスフリーな生活を送るための『コト』提案がより重視されているようだ」と話す。

 さらに、コロナ禍の変化として、「働き方や環境への取り組みなど、5年はかかるだろうと想定していたことが一気に進んだ反面、様々な格差拡大が顕著となり、SDGs目標に沿った企業活動が欠かせなくなったと思う」と語った。

 同社は、SDGsへの取り組みとして、廃棄される卵の殻を回収し、化粧品原料として再利用する仕組みを構築した。

 回収した卵殻は、洗浄、加熱、再洗浄の工程を経て乾燥させ、破砕し、膜付きの卵殻と殻のみの卵殻に篩い分けられる。剥離させた卵殻膜をナノ粒子化し、独自技術(特許出願中)でエキスを抽出している。

 鶏卵殻に加え、うずら卵殻も化粧品原料化に成功している。

 卵の殻は藤沢工場にほど近い「館ヶ森アーク牧場」と生協・コープから回収したものをそれぞれ使用し、トレーサビリティを確保していることも特徴の一つ。卵殻膜エキスは、卵殻60㎏から200gしかとれない貴重なエキスで、アミノ酸など良質なたんぱく質を含んでいる。

 肌への有効性も確認しており、OEMでの処方提案を進めていく。

 また、篩い分けた際に残った卵殻は、農業用肥料として再利用することで廃棄物ゼロを実現する。

 「卵殻膜エキスのサステナブルな仕組みを応用し、今後も廃棄物や未利用資源を有効活用してSDGsに沿った取り組みを推進していく」
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