化粧品専門店 座談会 2021、ニューノーマル時代の店舗経営を考える

週刊粧業 2021年10月18日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 休業・営業時短の影響を受けつつ顧客との絆を再認識し、活動へ
  • 「人」に価値ある業態の強みを活かし、店舗の「個性」を磨く
  • デジタル時代を受け入れ自店に合った活用法を見出す
  • 化粧品店とメーカーの関係も時代変化に合わせて再構築へ
化粧品専門店 座談会 2021、ニューノーマル時代の店舗経営を考える
 コロナ禍の長期化で、対面による接客・カウンセリング、エステなど化粧品専門店が核としてきた活動が十分にできない状況が続いている。

 一方で、新たにECや動画配信、ライブコマースなどデジタルを活用したサービスが浸透した。市場環境の大きな変化とそれにともなうニューノーマルへの対応で、専門店経営のあり方も変化を問われているのではないだろうか。

 今回、「ニューノーマル時代の店舗運営を考える」をテーマに、たしろ薬品の田代正樹代表取締役、草苅の向山恭弘代表取締役、さくら屋の木内貴久美常務取締役、グランドールの武井隆常務取締役の4名とオンライン座談会を実施した。

休業・営業時短の影響を受けつつ
顧客との絆を再認識し、活動へ

 ――1年と半年以上続いているコロナ禍の影響を受けて、化粧品業界も市場環境が大きく変化しています。みなさんの店舗環境や運営状況についてお聞かせください。

 田代 当社は、新宿、渋谷を中心に首都圏に店舗があり、コロナ感染拡大の影響を大きく受けている状況が続いている。6店全て商業施設内のテナント出店であるため、感染状況によって商業施設側の意向で休業や時短営業が続いている。

 木内 西東京と神奈川に店舗がある当社も全てテナント出店のため似たような状況で、基本的には商業施設側の方針に従って営業を行っている。

 向山 当社は2店舗テナント店を展開しているが、出店エリアによって館の営業方針も異なる。

 群馬・館林市の店舗は営業を続けられた一方で、埼玉・羽生市の店舗が休業、そして時短営業をとることになった。2店舗が車で約30分の距離であるため、羽生店のスタッフは休館中、館林店で働いてもらうことにし、チーム一丸となって1店舗の運営を行った。

 経営者としては、減額せず給料100%の支給を守りきれたことが一番うれしかった。従業員たちの間では、チーム一丸となって乗り越えたことで、結束が強まったと感じている。

 木内 たしかに、店が存続できるのかということも含め、昨年の感染拡大当初は見通しがつかない状況の中、経営側としては従業員の雇用をどうしたら守れるかに集中するしかなかった。

 ――武井さんのお店は路面店ですが、いかがですか。

 武井 埼玉県内の郊外にある路面店なので休業することなく営業を続けている。第1波の緊急事態宣言発出時には、接触をできるだけ少なくするため、売上が大きい日曜日を休みにした。

 お客様に大変なことが起きているというインパクトのある伝わり方にしたいという思いもあった。来店できない方には宅配サービスで対応した。

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