ライオン、感染予防を考慮した歯みがき方法を啓発

粧業日報 2021年11月10日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 「口閉じ歯みがき」と「舌みがき」の併用でコロナ感染リスクを低減
ライオン、感染予防を考慮した歯みがき方法を啓発


口閉じ歯みがきで飛沫飛散量を
約30分の1に抑えることが可能

 続いて、福田氏が感染予防を考慮した「口閉じ歯みがき」について紹介を行った。

 「口開け歯みがき」と「口閉じ歯みがき」を比較した実験では、動画解析10秒間で飛沫量が前者が1674であったのに対し、後者は56となり、約30分の1に抑えられることがわかった。つまり、口閉じ歯みがきは、コロナ禍で懸念される飛沫の飛散を抑えるのに極めて有効であることが感覚的なイメージだけでなく、数値上でも実証された。

 次に、歯垢除去力を調査すべく、歯垢の染め出し液により、歯みがき前後で歯垢除去できた部位を比較したところ、「口開け歯みがき」と「口閉じ歯みがき」で歯垢の取りやすさは変わらなかった。つまり、「口閉じ歯みがき」でも十分に歯をしっかり磨けることが実証された。

 「口を開けて歯をみがくと飛沫が口の外に飛びがちだが、口を閉じてみがくことにより、飛びにくくすることができる。コロナ禍では集団の場での歯みがきは、口を閉じて行うことをお勧めする。前歯の表側を磨く際は口が開きやすく、前歯の裏側を磨く際はハブラシが口の外に出やすいので、口の閉じ方やハブラシの当て方に注意が必要だ。口閉じ歯みがきのコツについては、生活情報Webメディア『Lidea』にて動画コンテンツを用いてわかりやすく紹介している」(福田氏)

 さらに、福田氏は新型コロナ感染対策として「舌みがきの提案」についてもプレゼンテーション行った。

 口は感染経路の1つであり、ウイルスや細菌が繁殖しやすい場所でもある。実際、舌の表面には舌乳頭という細かい突起がたくさんあり、この中に食べかすや口の中で剥がれた粘膜がたまり、細菌のすみ家になっている。舌の上などのACE2(コロナウイルス受容体)を目印に、コロナウイルスが結合したあとにTMPRSS2(酵素)がウイルス感染の手助けをするといわれている。

 「酵素を含む舌苔が多く付着していると、感染のリスクが高まってしまうため、キレイな舌にして感染リスクを下げることが必要だ。コロナ禍では、マスクによる口の乾燥、行動制限によるストレス増加などにより舌苔付着の増加が懸念される。こうしたことへの対処として、舌みがきを提案したい。舌みがきは1日1回を目安に鏡を見ながら行うこと、専用に開発された舌ブラシを使用することをお勧めする。舌ブラシやハブラシで奥から手前に軽い力で3回ぐらい動かして汚れを掻き出すこと、無理に一度で取ろうとせず、毎日掃除をしてだんだん落としていくことを意識して取り組んでいって欲しい」(福田氏)
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