資生堂、パーソナルケア製品の生産事業をFTSに譲渡

粧業日報 2022年8月22日号 2ページ

資生堂、パーソナルケア製品の生産事業をFTSに譲渡
 資生堂は、久喜工場とベトナム工場(ドンナイ省ビエンホア市)にて営むパーソナルケア製品の生産事業を譲渡することを決定した。

 今回の譲渡を通じて、ファイントゥデイ資生堂(FTS)の生産と販売を統合した製販一体の経営体制構築を通じた同社の持続的成長を支援するとともに、久喜、ベトナム両工場をより高い競争力をもつ工場に進化、発展させることを目指す。

 なお、同社が久喜工場において営む事業については、同社から吸収分割の方法により、2023年第1四半期に新会社に承継させたのち、同社の全株式をAPCHに譲渡することを予定している。また、同社の完全子会社であり、ベトナム工場を運営するShiseido Vietnam Inc.(SVI)については、2023年下半期にSVIの全持分をAPCHに譲渡することを予定している。

 同社は、昨年7月にパーソナルケア事業をCVC Capital Partners(CVC)が間接に出資する法人であるFTSに譲渡した。譲渡後は、FTSの完全親会社であるAsian Personal Care Holding(APCH)の株主としてCVCと協力して同事業を運営し、FTSは昨年7月以降、新会社として好調なスタートを切り順調に業績を伸ばしている。

 この好調な環境下で、今後さらに同社が持続的な成長を確実にするためには、研究開発・生産・マーケティング・販売などの機能が一気通貫になる体制を構築することが不可欠だった。

 そこで今回、同社のパーソナルケア製品の主力工場で、FTSの生産・供給の中心を担っている久喜工場、ベトナム工場の事業譲渡を決定した。

 今回の生産事業譲渡は、久喜工場は会社分割後に株式を譲渡、ベトナム工場は株式譲渡という形式をもって行う。また、両工場の従業員は引き続き生産事業に従事する。

 資生堂は、既存の掛川工場、大阪工場に加え、19年に那須工場、20年に大阪茨木工場、今年5月に福岡久留米工場を稼働させるなど、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、スキンビューティー領域のプレステージ・プレミアム化粧品事業の生産を担う国内工場体制の整備を完了している。
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