花王、グリーバンスメカニズムの運用を開始

粧業日報 2022年9月6日号 5ページ

カンタンに言うと

  • インドネシアの小規模パーム農園を対象に
花王、グリーバンスメカニズムの運用を開始
 花王は、2022年9月より、ビジネスと人権を専門とするNPO法人 経済人コー円卓会議日本委員会(CRT日本委員会)と協働で、インドネシアの小規模パーム農園を対象としたグリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)の運用を開始した。

 グリーバンスメカニズムにより、農園の苦情や問い合わせを受け付け、「調査」「対応」「解決」「フォローアップ」「報告」まで行い、同社にとって最も重要な自然資本の1つであるパーム油に対し、社会・環境の面、特に小規模パーム農園の人権における本質的な課題解決に向けて取り組んでいく。

 同社は、2020年10月より、油脂製品製造・販売会社のアピカルグループ、農園会社のアジアンアグリとともに、花王のサプライチェーンにつながるインドネシアの小規模パーム農園の生産性向上と、持続可能なパーム油に対する認証(RSPO認証)の取得を支援するプログラム「SMILE」(Smallholder Inclusion for Better Livelihood & Empowerment program)を実施している。

 今回は、「SMILE」で支援する小規模パーム農園を対象とし、グリーバンスメカニズムの運用を開始する。スマトラ島の約50農園からスタートし、順次対象農園を増やす。また、問い合わせ内容や対応の結果は、花王ウェブサイトで公表していく。

 グリーバンスメカニズムでは、小規模パーム農園が、スマートフォンから花王のグリーバンスメカニズムの受付窓口へアクセスし、苦情や問い合わせを入力すると、CRT日本委員会が、問い合わせ内容を含めたシステム上の個人情報を管理し、対応状況の透明性を確保したうえで、花王が小規模パーム農園からの問い合わせに対応する。

 内容により、アピカルグループ・アジアンアグリへ対応を依頼し、人権や環境に関する重大案件については、CRT日本委員会、アピカルグループ・アジアンアグリとともに対応方法を協議する。その後、小規模パーム農園に改善状況を確認し、経過のフォローアップを実施するとともに、花王のウェブサイトで問い合わせ内容や対応の結果を半年に一度公表していく。

 これにより、小規模パーム農園の本質的な課題を解決していくとともに、問題発生の予防や生産性向上、生活環境改善につなげていく。
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