資生堂 みらい開発研究所 菊地久美子研究員は、米国画像科学技術学会（IS&T）が発行する論文誌「Journal of Imaging Science and Technology」にて「Development of a System to Measure the Optical Properties of Facial Skin using a 3D Camera and Projector（3Dカメラとプロジェクターを利用した顔の皮膚の光学特性計測システムの開発）」というテーマで投稿し、「Charles E. Ives Journal Award」を受賞した。
同賞は、IS&T が発行する2種類の論文誌（「Journal of Imaging Science and Technology」「Journal of Electronic Imaging」）の中で基礎・応用科学、工学分野への顕著な貢献が認められた論文の著者に対し、年間1報のみに贈られる。
今回、菊地研究員がノルウェー科学技術大学と共同で行った研究が、2021年にIS＆Tが発行した論文誌に掲載した中で最も優れた技術論文として評価された。
同社は100年を超える研究開発の歴史の中で、様々な肌の特徴を計測する技術を開発してきた。菊地研究員の研究に代表されるような、画像解析などの最先端の技術を積極的に採り入れ、これまで客観的評価が難しいとされてきた「くすみ感」「つや感」「透明感」など、肌の質感をもたらす肌の光学特性の解明、さらには光学特性を左右する生物学的要因の解明に取り組んできた。
近年、「肌の質感」に関与する皮膚の光学特性を定量的に計測・評価することが、皮膚科学、香粧品学のみならず、コンピューターグラフィックスや映像の分野でも大きな関心を集める中、受賞論文では、肌の表面で反射する光、肌内部に侵入して出射する光など様々な経路を辿る光を表面反射光・拡散光・内部散乱光として分離し、顔の立体形状と合わせて3次元的に計測する技術を報告した。
