コーセーは、化粧くずれを防ぐ2つの新素材を開発し、1月17日、「化粧もちのよいメイクを実現するコーセーの最新技術」と題して記者発表会を行い、メイク製品研究室 ベースメイクグループの竹下卓志氏(写真右)が最新技術について説明した後、最新技術が盛り込まれた新製品と既存品との違いについて大島育也氏(写真左)と郡司理紗子氏(写真中央)が実演を交えて解説した。
1つは、オーケンと日油の2社と共同開発した、皮脂テカリやマスクとのこすれから化粧くずれを抑える2種類の機能性粉体で、この研究成果を3月1日発売のフェイスパウダー「メイク キープ パウダー」(5g 1320円)に搭載する。
もう1つは、信越化学工業と共同開発した、こすれや汗に強く、表情の動きにもヨレない強靭かつ柔軟な皮膜をつくる樹脂素材「架橋型MQレジン」で、この研究成果を3月16日発売の化粧下地「エスプリーク トリプル ラスティング プライマー」(30g 2860円)に搭載する。
同社では、くずれないメークに対して独自の研究開発に長年取り組んでおり、冷房が普及し始めた1974年に夏用のリキッドファンデ「サマード」、女性の社会進出が進んだ1976年には持ち運びに便利なコンパクトタイプの「フィットオン」、1979年には高温多湿な日本の気候に最適な「2ウェイケーキ」を発売するなど、独自の発想を取り入れながら幅広い顧客に寄り添った商品を提供してきた。
その後も、スポーツブームが到来した1981年にスポーツをする時にも美しくありたいというニーズを受けて業界に先駆け「スポーツビューティ」、1993年には水にも油にも溶けない特殊な成分でコーティングすることで口紅の色移りを防ぐ「リップ ジェル マジック」を発売するなど、市場にはない時代に先駆けた化粧くずれを防ぐアイテムを世に送り出してきた。
マスク生活が続くコロナ禍においては、マスクへの色移りを気にする人が増え、これまで以上に仕上がりの持続性が求められるようになってきており、同社ではくずれにくいベースメークアイテムの開発をより一層加速している。
化粧下地とルースパウダーの投入で
高いメークキープ効果を実現
「メイク キープ パウダー」は、マスク着用時の蒸し暑い環境下でもテカらず高温多湿環境下でもメーク効果が持続するルースタイプのフェイスパウダー。油になじみにくいテフロン加工のフライパンに着想を得て開発した、フッ素変性シリコーン樹脂により表面処理した粉体が皮脂をはじくことで皮脂によるテカりを抑える。この粉体に、肌付着性の高い粉体をブレンドすることで、マスクによるこすれにも強い、これまでにないフェイスパウダーが完成した。
メークの仕上げに既存の「メイク キープ ミスト EX」(85mL・1320円)を合わせて使用することで、さらにくずれにくい化粧膜を形成することができるという。
「メイク キープ ミスト EXはメークをキープする効果は高い一方、出てきた皮脂を吸着する効果はないため、皮脂吸着効果のあるパウダーを、メイク キープ ミスト EXで覆うことで、効率的に皮脂を吸着しつつ、メークの持続性を高めることができる」(メイク製品研究室 ベースメイクグループ 竹下卓志氏)
「エスプリーク トリプル ラスティング プライマー」は、「皮脂によるテカり」「乾燥によるカサつき」「表情の動きによるヨレ」を防ぎ、美しい仕上がりが持続する化粧下地。ヨレに特化した商品が市場にないことから新たに開発した。こすれや汗に耐える強靭さと撥水性を持ちながらも、表情の動きにもヨレない柔軟な皮膜を形成することのできる樹脂素材「架橋型MQレジン」を採用。化粧膜内の成分を外に逃がさず、保湿感を保持しながら化粧くずれを防ぐ。
「化粧下地、ファンデーション、ルースパウダー、ミストの順でお使いいただくことで高い化粧くずれ抑制効果を発揮する。最も肌側に位置する化粧下地は肌のつっぱり感を感じやすいため、柔軟性を持たせたることにこだわった。皮脂くずれ抑制効果がある化粧下地を、こすれに強い効果を持つパウダー、ミストで覆うことで化粧くずれ抑制効果を大幅に高めることが期待できる」(竹下氏)