資生堂、プラスチック製容器の新循環モデルの実証試験を開始

粧業日報 2023年2月24日号 4ページ

カンタンに言うと

  • ポーラ・オルビスHDとともに4月から横浜市でスタート
資生堂、プラスチック製容器の新循環モデルの実証試験を開始
 資生堂は、プラスチック製容器を収集し、プラスチック製容器へ再生する循環型プロジェクト「BeauRing(ビューリング)」を立ち上げる。プロジェクトの実現に向けた試験的な取り組みとして、2023年4月から、資生堂の全ブランド容器のうち使用済みプラスチック製化粧品容器を対象とした一部の店頭での収集を開始する。また、今回得られる顧客からの収集量などの試験結果をもとに、地域、店舗チャネルの拡大を検証していく。

 このプロジェクトは、同社以外の企業の参画を呼び掛けることで、資源循環の輪が広がり、顧客がより前向きに化粧品を使うことができるサステナブルな社会に貢献していくことを目指しており、第1弾として、プレステージビューティー事業に注力しているポーラ・オルビスホールディングスがPOLAブランドから参画を決定している。同社とは、今回の実証試験のみならず、環境負荷軽減や社会をより良くすることができる社会課題解決領域においても連携を継続していくことに合意している。

 収集拠点は、神奈川県横浜市内のデパートや化粧品専門店、資生堂グローバルイノベーションセンター(横浜市)の計10拠点。両社は、化粧品販売店を通じ顧客と直接コミュニケーションの接点を持つという利点を生かし、企業としての努力に加え、顧客の理解を深めることによる環境負荷低減も見据えつつ、サステナブルな社会の実現へ貢献していく。

 「BeauRing」とは、収集した使用済みプラスチック製容器を再生資源としてリサイクル処理を行い、新たなプラスチック製容器を再生するプロジェクト。将来的には収集から再生までの一連のスキームのプラットフォーム化を目指す。BeautyとRingを掛け合わせた造語で、使い終わったプラスチック製容器を不要なものとして廃棄するのではなく、新たなモノに生まれ変わるための資源として循環させるために、一人一人の美しい行動を輪としてつないでいくといった意味を込めている。

 実証試験では、収集した容器を一時的に資生堂グローバルイノベーションセンターへ集積し、顧客へ案内したとおりの収集物が得られているのか、収集量がどれくらいか、収集物の運搬頻度は適切か、などの分析を行う。この実証試験は横浜市の確認を受けて実施することが可能となった。

 横浜市内のデパートや化粧品専門店、資生堂グローバルイノベーションセンターの計10拠点にBeauRing BOXを設置し、顧客に持参した使用済みプラスチック製化粧品容器を投函してもらう。実証試験で収集する使用済みプラスチック製化粧品容器は、中を洗う必要はなく、キャップやスポンジ、チップなどもつけたまま投函することができる。従来の、素材ごとの分解や分別、洗浄が必要な収集に比べて顧客が取り組みやすいことが大きな特徴となっている。

 今回のリサイクルプロジェクトは、複雑なプラスチック容器の収集後に資源化し、再びプラスチック容器として生まれ変わらせることができる非常に画期的な取り組みであり、今回得られた収集量などの試験結果をもとに、地域、店舗チャネルの拡大を検証していく。この技術の活用については、他の企業の参画も呼び掛けることで、資源循環の輪が広がり、サステナブルな社会に貢献していくことを目指す。
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