佐藤和佳子シニアアナリストに聞く2023年下期の化粧品業界展望

粧業日報 2023年7月3日号 1ページ

カンタンに言うと

  •  内需は回復傾向が強まる、インバウンドは企業格差も
  • 1~3月期は堅調な回復、4~6月期は伸び率鈍化も
  • 中国は購買行動の変化対応を、国別ではベトナムに期待感
  • インバウンドはOTC医薬品が好調
  • 高価格帯は4月以降の動向に注視、マス市場で躍進する企業も
佐藤和佳子シニアアナリストに聞く2023年下期の化粧品業界展望
 2023年国内化粧品市場は訪日客を含めた人流増加により、全体的に回復基調が強まっている。

 3月中旬以降はマスク着用の自由化でリップを中心にメークアップの需要も高まっている。大手を中心とした上場各社は再び成長軌道に乗せることができているのか。

 化粧品・日用品の企業調査・分析する三菱UFJモルガン・スタンレー証券・インベストメントリサーチ部の佐藤和佳子シニアアナリストに、今後の業界展望と合わせて話を聞いた。
 
1~3月期は堅調な回復、
4~6月期は伸び率鈍化も

 ――出荷統計などの数字を見ると国内化粧品市場は回復基調が強まってきた印象です。佐藤さんはどのように市況を見ていますか。

 佐藤 化粧品市場については、内需は回復傾向にあり、各社の1~3月期決算も全体的には悪くなかった。スキンケア市場が前年同期比3%増、ベースメークが12%増、ポイントメークが12%増とリオープニングを感じさせる内容である。

 メークアップの需要回復はカネボウ化粧品(花王グループ)にとってはプラス効果であり、スキンケアも「コスメデコルテ」(コーセー)の「リポソーム アドバンスト セラム」を筆頭にヒット商品も生まれている。資生堂も「エリクシール」が好調に推移している。

 ただ、個別にみていくと好スタートを切れたかどうかの判断が難しくなってくる。

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