資生堂、IFSCCバルセロナ大会2023で「最優秀賞」をダブル受賞

カンタンに言うと

  • 世界の化粧品メーカーの中で最多、27回目の最優秀賞受賞
資生堂、IFSCCバルセロナ大会2023で「最優秀賞」をダブル受賞
 資生堂は、9月4~7日にスペイン・バルセロナで開催された化粧品技術を競う世界最大の研究発表会「第33回国際化粧品技術者会連盟バルセロナ大会2023」(The 33th IFSCC Congress 2023 Barcelona)にて、全449件の研究報告(口頭発表76件、ポスター発表373件)のうち、資生堂ヨーロッパイノベーションセンターのAline Robert-Hazotte(アリーン ロバート アゾッテ)研究員が口頭発表基礎部門で、資生堂みらい開発研究所の福原隆志(ふくはら りゅうし)研究員が口頭発表応用部門で、いずれも「最優秀賞」を受賞した。

 今回の受賞は、2022年まで隔年で開催されてきた「IFSCC Congress」とその間の年に開催されてきた「IFSCC Conference」を含めると通算31回目(うち最優秀賞は27回)となり、世界の化粧品メーカーの中で最多の受賞回数となった。

 同社は、今後もグローバルレベルで高く評価される研究開発力を強みとし革新的な価値を作り続け、企業ミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現に向け、世界中の生活者へ美のイノベーションを届けていく。

 口頭発表基礎部門 最優秀賞の受賞テーマ名は「ヒトにおける感情コミュニケーションを深く理解する:体臭を介したポジティブ感情の伝達に関する研究」で、リヨン神経科学研究センターと共同で、体から発散される匂いによって、ポジティブな感情が伝染するか否かを解明したことが評価された。研究の結果、ヒトは体臭を通じてポジティブな感情を他者に伝えていることを確認し、さらに香り付き製品の使用、性格、コミュニケーションする相手との関係性といった因子が関連している可能性を明らかにした。ホリスティックな美容習慣として、情緒的な効能を持つ香りつき製品へのニーズが高まる中、今回の研究は香りつき製品が人と人とのコミュニケーションを促し、ウェルビーイングを実現するホリスティックな効果をもたらすといった新たな可能性を示している。

 口頭発表応用部門 最優秀賞の受賞テーマ名は「ミネラルサンスクリーンの新奇設計戦略:肌上でUV防御能と透明性を向上する無機UV防御剤の動的均一化」。ミネラルサンスクリーン(ノンケミカルサンスクリーン)などに用いられる無機の紫外線防御成分は、製剤に配合すると肌が不自然に白浮きしやすいという問題が知られいるが、今回、東京農工大学との共同研究により、肌に塗ることで防御成分が自動で理想的な構造へと変化する新しい現象を見出した。自発的に肌の上で紫外線防御効果と透明性が向上し、白浮きせずに高いSPFを発揮する新しい日やけ止めの処方技術を開発したことが評価された。
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