マツモト交商、新たな評価方法採用した新原料を提案

週刊粧業 2023年10月16日号 54ページ

マツモト交商、新たな評価方法採用した新原料を提案
 マツモト交商は10月2日より、「NanoCap Selection」の販売を開始した。

 NanoCapは、10年以上販売しているリポソームの調製技術と安定化技術を集結した化粧品原料で、化粧品・医薬部外品に配合することができる。

 これまで、標準品と各社の要望で作製するフルオーダー品の2タイプを販売してきたが、今回、新たな選択肢として、より簡便に内包成分を選定することで開発期間の短縮を実現し、独自性に差をつけるセミオーダー品を上市することとなった。

 セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミン類など、消費者ニーズの高い14成分から2成分を選んでリポソーム原料をつくることが可能だ。フルオーダー品と比較して、開発期間を半分以下まで削減できる。

 なお近年、消費者が化粧品に関して豊富な知識をもつようになり、成分についてもかなり勉強している傾向にある。そうした中、化粧品メーカーは消費者に対して独自性やエビデンスを訴求していくことが求められる。

 NanoCap Selectionは、効果訴求に使えるソフト情報がセットになっている点も大きな魅力といえるだろう。保湿試験データや皮膚浸透評価の切片写真、案件ごとに撮影する電子顕微鏡写真などを提供する。

 「電子顕微鏡写真に関しては、ロットナンバーを打ち、お客様専用のお写真をお渡しすることができる。各種データを最終製品の訴求に活用いただくことで、他社との差別化に寄与できるのではないかと考えている」(同社)

 そのほか、同社では「第33回国際化粧品技術者会連盟バルセロナ大会2023」にて、全373件のポスター発表の中から、中川研究員による発表が、最も優れた9つの発表「Top 9 Posters」として選出された。粉体の官能評価について新たな基準を設けることによって、化粧品に求められる感触のパウダーを見出したというものだ。

 同社では、この新たな評価方法を応用することで開発した新製品GeoFuseの紹介を開始している。マイクロプラスチックビーズ代替として期待される複合粉体となっている。
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