ヒノキ新薬 阿部武彦社長 大和魂を持ち、活力ある日本に

週刊粧業 2024年1月1日号 41ページ

ヒノキ新薬 阿部武彦社長 大和魂を持ち、活力ある日本に
 いまだに「コロナ禍、コロナ禍」は日本だけ。延期になっていたスペイン南部の旅に、ようやく昨年の9月後半にご販売店の皆様と一緒に行くことができました。旅の間、どこへ行ってもマスクなど見かけることはなく、それだけでも解放された気分になりましたが、それとともに、現在の日本をどう捉えるべきか、国民の幸福とはどういうことなのかということを改めて考えさせられました。スペインが自国の文化や伝統を守り、それらを良い意味で観光資源として活用しているのに対し、日本は何を国民の満足の資源として考えているのか、見えていないのが現状ではないでしょうか。

 観光立国と謳うには首を傾げてしまうような日本の観光の実態、インバウンドに期待を寄せ、経済をどうにかしようと目論んでいるように見えますが、「投資」というよりも「投棄」に思えてなりません。

 かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(日本は世界で1位になるだろう)と言われていた経済大国日本も、GDP世界ランキングではドイツに追い越され4位になるとされ、来年は何位になってしまうのか懸念しております。財務省や金融官僚の言うことを、真に受けた内閣の取った政策の敗北のツケが、国民に回ってきてしまっているように感じるのです。

 相当な緊張感を持ち、この国難に立ち向かわなければならないのにも関わらず、いまだに助成金等を当てにするような者がいるというのも理解し難く思っています。政界や官界のみならず、産業・実業界もこのような言わば『甘え』の構造を捨て去るくらいの覚悟がなければ、膨大な国家赤字を立て直すことはできないのではないでしょうか。

 紀元2600年記念の折に『金鵄輝く日本の榮えある光身にうけて』と歌われた日本の在り方は、今では見る影もないように感じています。昔は誰にも備わっていた、郷愁の念や日本人としての誇り、勤勉さ、良い意味での民族意識、大和魂を取り戻していきたいものです。

 それぞれの企業がそれぞれの立場においてその自覚さえ持てれば、世界における日本の評価は、まだまだ高い水準を維持できると考えております。

 私も、年齢に関わりなく活き活きと社業に就くとともに、活力ある日本人としての生き方を、新年の目標に掲げていきたいと思います。
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