カンタンに言うと
ビジネスをしていく中で、私たちが向き合っているのは「生活者」であることをまず念頭に置きたい。反省も含めて振り返ってみると、 我々が向き合っているのはお客様だ、とつい思いがちだが、それは「私たちの化粧品を買ってくれる方」といった企業目線だ。真にお客様と向き合うということは、お客様それぞれに家族・地域・社会の中での日常があり、その中で生活者として見た時に、何を提供すれば興味や信頼、そして期待を持ってもらえるかを考えることではないか。また一方で忘れてならないのは、私も皆さんも、様々な役職等を別にして生活者ということ。一個人の生活者として、何が必要とされているか、何を本当にやるべきか、といったことを常に考えてほしい。
私は仕事には2種類の考え方があると仮説を持っている。それは『で』仕事と『が』仕事であり、『で』仕事というのは、「これでいいですか?」というように、確認を求めるような仕事だ。会社にはルールや仕事の進め方があり、先輩から「こういう風にやればいいんだよ」と教わることが沢山出てくる。求められていることがわかると『で』仕事になりがちだ。もう1つの『が』仕事は、「これがいいんです」「これがやりたいんです」という仕事。この『が』には主体性がある。既に答えがあることを再確認する仕事だけでは、組織は昨日のままだ。昨日のままがずっと続くと、いつかは時代から大きくかけ離れていく。そうではなく、時代が変わる、生活者の気持ちも価値観も変わる、世の中も変わっていく時には、これまで答えとして認識していなかったことを、新たに見出していく事が大切になる。皆さんの『が』仕事は、変化に対応していく原動力になる。私たちがお客様や社会から選ばれ続けることは容易なことではなく、当たり前ではないという意識をもって、ぜひ『が』仕事に取り組まれることを願っている。
『が』仕事を実践しようとすると、なかなか難しいと言われることも多いが、そのような時は「問いをたてること」、これに尽きると思う。会社の仕組みやルール、仕事を覚えた時に、「何故このようなことをしているのか」「どうしてこうなっているのか」と一つひとつ、問いを立ててみてほしい。日常当たり前にやっていることに対して、常に問いを立て続けていく。環境や社会や生活者の価値観が変わっていく中で、問いに対する答えを見出すのは、簡単なことではないが、この「問いを立てること」に皆さんの集中力と責任感を注いでほしい。
関連キーワード
この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 13ページ 掲載
■特集/SNS時代、ロングセラーのつくられ方~新客獲得もロイヤリティ向上もSNS起点に掲載企業/花王(マステージブランドビジネスグループ ミラノコレクション マネジャー 植田優子氏)、コーセー(戦略ブランド事業部 クリーンブランド事業室 雪肌精 宣伝企画 山内鞠那氏)、ポーラ(ブランドクリエイティブ部 B.Aメーク プロダクトリーダー 萱沼沙由梨氏)、ナリス化粧品(リテール事業部 プロモーシ...
バラ売り
【週刊粧業】2024年下期オーラルケアの最新動向
バラ売り
【週刊粧業】シンクタンクが分析する2025年国内化粧品市場
バラ売り
【週刊粧業】2024年パーソナライズドコスメの最新動向
バラ売り
【週刊粧業】2024年百貨店の化粧品販売最前線
バラ売り
【週刊粧業】2024年化粧品製造機器の最新動向
バラ売り
【週刊粧業】ポーラ化成、第34回IFSCC世界大会ポスター部門で最優秀賞
バラ売り
【週刊粧業】証券アナリスト協会、2024年度ディスクロージャー優良企業を選定
バラ売り
【週刊粧業】花王、ヘアケア事業変革の新ブランド第2弾「THE ANSWER(ジアンサー)」発売
紙面を探す
紙面を探す
レポートを探す
無料でダウンロード
カタログを探す
無料で見る
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、日用品、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした生産・流通産業界の総合専門情報紙。
季刊/年4回
化粧品、日用品、アクセサリーなどの業界別の市場動向をはじめ、戦略、流通、経営、マーケティングを扱う情報専門誌。
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、トイレタリー、石鹸、歯磨、日用品に関する情報の速報版。業界のエグゼクティブ必読の情報紙。
週刊/毎週月曜日発行
昭和33年に創刊された、わが国初の訪問販売化粧品業界の専門情報紙。