ポーラ化成、日本感性工学会大会にて優秀発表賞を受賞

訪販ジャーナル 2024年4月29日号 7ページ

カンタンに言うと

  • 神経美学研究と8K映像技術で魅力認知の解明に挑戦
ポーラ化成、日本感性工学会大会にて優秀発表賞を受賞

 ポーラ化成工業は、神経美学研究と8K映像技術を融合し、魅力認知の解明に向けた研究を推進している。研究成果の一部は2023年11月20~22日に開催された第25回日本感性工学会大会にて発表され、優秀発表賞を受賞した。現在は、プロダクトやサービスへの展開を見据えたさらなる研究に取り組んでいる。

 神経美学とは、認知神経科学の新しい分野であり、美的体験の認知プロセスを脳計測や心理実験といったアプローチで研究する学問。美しいものを見たときの脳機能や、どういったものを美しいと感じるのか、といった感性についての研究は、プロダクトやサービスの感性価値の理解、向上につながる。

 顔の認知研究では、ディスプレイ上に表示した顔画像を被験者が観察する手法を用いるが、従来の研究で用いてきたディスプレイと顔画像の解像度の組み合わせではヒトの眼の解像度の1/10程度にとどまり、実際の視環境とは大きく乖離していることが課題だった。

 顔の魅力を感じる認知機構をありのまま深く理解するためには、日常生活で接する「ありのままの顔」を、実験上の視環境でも再現することが必要なことから、高精細な8K映像技術を用いて構築した視環境と神経美学研究を組み合わせることで、従来の研究では捉えることのできなかった「魅力を感じる認知メカニズムの解明」につながるという。

 実際、神経美学研究と8K映像技術を組み合わせた研究からは新しいことが解明され始めていることからさらに研究を進め、従来の研究手法では明らかにできなかった魅力の認知に関連している脳機能や、魅力認知に関わる顔・肌特徴の解明を行っていく。

 その研究成果を応用することで、自分自身をより魅力的に見せる新たなアプローチの開拓や、日常生活で出会うものに魅力をより感じやすくなりウェルビーイングを導くような新たなプロダクトやサービスの開発が期待される。

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