新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類感染症へ移行してから約1年が経過し、社会が明るい方向に進みつつあるが、昨今の原材料高の影響に伴う物価高により、人々の生活防衛の意識が高まっている。こうした中、ギフト市場においては経済的負担の影響が懸念される状況となっている。
2023年のギフト市場を振り返ると、近年における中元・歳暮ギフト市場の全体的な縮小傾向が続いており、物価高の影響も受けた。2023年中元ギフトについては金額で前年比86.3%、件数で85.6%と引き続きダウントレンドとなっている。
内訳をみてみると、贈答世帯率が2.7P減の39.2%となり、50代以上の構成が約8割と非常に高くなっているが、コロナ禍に加速したインターネットでの購入は約3割に達し、店頭での購入に次いで高い構成を占めている。
衣料用洗剤ギフト市場においては、粉末セグメントが縮小し、濃縮タイプを含む液体セグメントの構成が約90%となっている。また、液体セグメントでの濃縮液体と在来液体の構成比は在来液体が上回る状況となっている。なお、液体セグメントにおける機能別の構成比は、洗浄が約7割、抗菌、香りがそれぞれ約1割となっている。
こうした中、業界最大手の花王は2024年の中元市場において、購入単価アップが見込まれる「アタックZEROギフト」の提案と併せて、売上好調が続く在来液体洗剤の「アタック抗菌EXギフト」を中心にカタログと店頭展開で衣料用洗剤ギフト市場の活性化を図る。
コニュニケーション施策では、「贈り物のスタンダード」や「貰って喜ばれる機能を兼ね備えた商品」といった認知の向上と定着を図るとともに、新型コロナ禍以降、生活者の衛生意識が定着していることを踏まえ、洗剤ギフトが「清潔を贈る」ギフトであるといったコミュニケーションも引き続き図っていく。
店頭では、2024年1月にデザイン改良した「アタックZEROギフト」を核としたアタックギフトの総合展開と、販促物設置による購買意向の喚起、商品特長の認知を促し、Webではブランドサイトでのラインナップ紹介と贈答知識の啓発を図っていく。
この記事は粧業日報 2024年5月28日号 4ページ 掲載
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