資生堂、第15回中国化粧品学術検討会で1等賞を受賞

粧業日報 2024年5月30日号 3ページ

カンタンに言うと

  • 中国現地研究所発の技術も含め、4報全ての論文が受賞
資生堂、第15回中国化粧品学術検討会で1等賞を受賞

 資生堂は、中国香料香精化粧品工業協会が主催する「第15回中国化粧品学術研討会」(2024年5月24~26日、中国・江蘇省無錫市)における優秀論文として、179件の論文エントリーの中から「1等賞」、「2等賞」2件と「優秀賞」を受賞した。

 今回の受賞は研究内容に加え、中国化粧品業界の技術進歩への貢献が評価されたもので、同社がエントリーした4件の論文全てが受賞し、うち1件は中国現地の研究所で企画・推進まで全てをリードし創出された技術についてのものだった。

 また、最も優秀な研究に贈られる「1等賞」については、資生堂として通算9回目の受賞となる。これら、グローバルな研究開発ネットワークを活かして生み出された最新研究や高い技術を、中国専用ブランド「オプレ」をはじめ、グローバルに展開する「エリクシール」や「SHISEIDO」ブランドなどの化粧品開発へ幅広く活用していく。

 1等賞を受賞した論文タイトルは「肌の抗重力システム『ダイナミックベルト』の解明 ~皮膚解析を革新する「4Dデジタルスキン」の開発~」で資生堂みらい開発研究所の江連智暢フェローが発表した。

 この論文では世界に先駆けて肌内部の動きを4次元的にビジュアル化する「4Dデジタルスキン」を開発することで、その謎に迫った。解析の結果、顔の肌には、立毛筋という微小な筋肉が高密度で配向し、これが重力に抵抗して肌を支える可能性が示された。そこで、この立毛筋による抗重力システムを「ダイナミックベルト」と呼ぶことにした。一方、加齢とともに立毛筋が衰え、ダイナミックベルトの機能が低下することで、たるみにつながることが示唆された。さらに、肌をストレッチすることが、衰えた立毛筋を活性化することを明らかにした。今回得られた知見を基に、新たなスキンケアの開発を進めていく。

 2等賞を受賞した論文タイトルは「高分子保湿剤が肌内部で働く、革新的な年齢肌用スキンケア ~ヒアルロン酸を送達し効果を高める体積制御技術~」(発表者:資生堂みらい開発研究所 藤井美佳研究員)と「納豆菌の同種菌の発酵から得られる環状ペプチドのスキンケア機能の探求」(発表者:資生堂 中国イノベーションセンター 曲睿(チウ ルエイ)製品開発シニア研究員)だった。

 前者の研究では、ヒアルロン酸の体積を制御し、肌への浸透性を高める技術を開発した。この技術によりヒアルロン酸の体積を小さくし、角層に浸透しやすくすることで、角層の柔軟性や透明度の向上が認められた。また、小さくなったヒアルロン酸の体積を再度大きくすることにより、角層水分量や肌のキメ状態の改善が認められたことから、ヒアルロン酸の効果を肌内で発揮させる画期的な製剤への応用が期待される。

 後者の研究では、納豆菌と同種の枯草菌から発酵させて得られる生物界面活性剤に注目した。その特異な親水性の高さを活かし、さらにサステナブルな補助乳化成分と併用する際の水、油、界面活性剤の適切なバランスの状態を研究した。その結果、天然由来成分でつくられた透明で安定性の高い、大量生産可能なナノエマルジョンを開発することに成功した。さらに、このナノエマルジョンパーツを配合することで、良好な浸透感と高い薬剤浸透効果をもつスキンケア製剤をつくることができるようになった。

 優秀賞を受賞した論文タイトルは「容器のライフサイクルにおけるCO₂排出量削減のための充填・成形技術について」で資生堂 ブランド価値開発研究所 大高康佑研究員が発表した。

 化粧品容器は基本機能としての化粧品の品質担保だけでなく、環境負荷にも配慮し、かつ情緒的な価値を提供するものでなければならない。従来技術では、環境負荷を低減した設計と情緒的な価値を両立するのが難しく、容器の成形と中味充填を同時に行う新技術の活用を試みた。この新技術では従来の標準的な同容量のつけかえ容器と比較して、容器包装のライフサイクルにおけるCO₂排出量を約70%削減できることがわかった。結果として、環境負荷低減と情緒的な価値といった2つの要素を両立した容器開発を実現した。
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