2014年10月15日 16時08分
株式会社コーセー(代表取締役社長:小林 一俊 本社:東京都中央区)は、元京都大学iPS細胞研究所 特任教授で現コーセー研究顧問の加治和彦と共に、同一供与者から異なる年齢で得られた皮膚線維芽細胞よりiPS細胞を作製し、解析・評価しました。その結果、老化過程の痕跡である短縮した「テロメア」が供与年齢に関わらず回復していることを明らかにしました。
この研究成果を10月27日から30日までフランス・パリにて開催される「第28回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)」世界大会にて発表します。
“初期化”によって老化した全ての細胞の「テロメア」が回復
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、様々な組織や臓器の細胞に分化し、ほぼ無限に増殖する万能性をもった幹細胞です。ヒトの皮膚などの体細胞に遺伝子などの特定因子を導入し、培養することで、分化した細胞から未分化の多能性幹細胞に“初期化”することができます。一方、”老化の過程は不可逆的“であり、老化は細胞レベルでも進行することが知られています。当社では、老化した細胞が初期化されたとき、どの程度回復されるか、という点に着目しました。
老化の指標としてよく知られているのが、細胞の染色体の両端にある「テロメア」と呼ばれる構造です。「テロメア」は、細胞分裂を繰り返すと共に短くなり、ある限界を超えて短くなると細胞分裂が止まってしまいます。今回の研究では、細胞の初期化によって、老化した細胞の「テロメア」が回復可能かを調べました。
本研究で用いたiPS 細胞は、同一供与者より異なる年齢(36~67歳)で得られた線維芽細胞から、京都大学iPS細胞研究所と加治研究顧問が共同で作製したものです。「テロメア」の長さを比較するため、iPS細胞とそれらの元となる線維芽細胞を用いて評価を行いました。その結果、36歳から67歳までの間に線維芽細胞の「テロメア」の長さは次第に短縮しますが、初期化されたiPS細胞の「テロメア」は、いずれの供与年齢においても、長さが回復していることが明らかとなりました。
iPS細胞からケラチノサイト(表皮細胞)の分化に成功
さらに、36 歳から67 歳までに得られた、すべての線維芽細胞から作製したiPS 細胞をケラチノサイトに分化させることに成功しました。このことから、異なる細胞に分化するというiPS細胞の特性は、細胞の供与年齢に関わらず、正常に機能することが確認されました。つまり細胞に刻まれた老化の痕跡は、初期化の過程で取り除かれ、iPS細胞の機能にも影響を及ぼさない可能性が示唆されました。
今後の展望としては、iPS細胞化と供与者の加齢について、遺伝子レベルでの知見を蓄積することで、老化過程の再現やメカニズムの解明が進むことが期待されます。また、iPS 細胞やそれを分化させた細胞を用いることで、老化研究の領域だけでなく、皮膚の生理機能解析や化粧品成分の評価系の確立、動物実験代替法への応用などに広げることが可能となってきます。コーセーでは、次世代の化粧品の開発へと応用していくため、iPS細胞について、より深化した研究を進めていきます。
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