木島企画事務所(神奈川県厚木市、木島信一社長)は、中国市場販路開拓事業をスタートした。以下は、木島社長の報告レポートになる。
2010年6月初旬、中国の新鋭、急成長の流通企業2社の責任者と情報交換ミーティングに出席のため、北京市に中国化粧品専門誌最大手の中国化粧品雑誌社を訪問した。
同雑誌社は、業界専門誌と一般消費者向け雑誌を月刊で発行しており、中国全土をカバーしている。また、北京・釣魚台などで毎年、優秀企業10店を選考・表彰する「中国化粧品10大名店」の主催者でもあり、中国化粧品業界でも大きな存在感をもっている。
ミーティングに参加した1社は、2004年創業の北京海川容和投資管理有限公司で、現在は自社のスキンケアブランド「Chanps Elysess」を展開している。ほぼ中国全域に2300カ所の販売専用のカウンター拠点を設け、従業員数は1万人以上を擁する新興企業である。
胡治国財務担当CFOは、「今後は海外ブランドも取り入れ、販売の多元化を図りたい。そのために、北京市内10箇所でカウンター拠点を新設・増強して、テストマーケティングを兼ねた販売体制を築く」と語る。また同社は、今後の中国国内の化粧品需要の増大を見込んで、国内外のメーカーの化粧品製造に対応するOEMプラントを広州に新設したという。
もう1社は、創業1998年の北京YESA(イーサ)商業管理有限公司で、東北、華北地域を中心に60店舗以上のチェーンストア「YESA」を展開している。同社は「2009年度中国化粧品10大名店」にも選ばれており、北京市中央部の店舗には、日本をはじめ、欧米のトップブランドである高価格帯商品を中心にラインナップしている。
ZHANG(ザン)連元副社長は、「さらにより多くの海外ブランドを取り揃えたい。今後は多様化するニーズにも対応できるよう、高価格帯以外の商品も積極的に取り扱っていきたい」と語っている。
ミーティング終了時には、この2社から「日本市場で一定の評価を受けている化粧品で、中国市場未参入のものを取り扱いたいため、紹介して欲しい」との要望があった。
最後に、中国化粧品雑誌社の李康社長は「メーカー(日本)と販売側(中国)の双方が、十分な交渉を通して、相互の力を発揮すれば、大きな成果を得られる時代が来ている」と会合を結んだ。
ミーティングを終えて…
今回のミーティングで、中国の化粧品市場は今後、中価格帯の海外化粧品が伸びると思われる。そして、中でも日本の化粧品への期待が大きいと強く感じた。また、日本企業が中国市場への参入を本格化するのに合わせるかのように、中国の流通小売企業もまた、次の営業戦略として、日本製化粧品を重要商品に位置づけていることが明確である。
中国のような大きな市場への参入には、今回紹介した2社のような新しい経営発想で、積極的に多店舗展開するチェーンストア企業との連携こそ、効果的な戦略であると感じた。交渉次第で、中国市場の開拓は意外に容易かもしれない。少なくとも、ミーティングに参加した2社は、日本の化粧品を取り扱うことに関して、極めて前向きな姿勢を示したことはたしかである。
※詳しい内容を知りたい方は、TEL=090-2644-7486(木島)まで。
この記事は週刊粧業 掲載
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