マツモト交商は、豊富な実績と長年培った知見、国内外にわたる広いネットワークを活かし、安全性試験や有用性試験の仲介サービスを展開している。
同社では、シャンプーやコンディショナーの内容処方の生分解性を判定する試験の取り組みに注力している。
近年、プラスチックごみによる海洋汚染が社会問題化し、化学物質・製品の海洋生分解性に注目が集まる中、化粧品の生分解性を確認したいという顧客ニーズも増加傾向にあるため、そうしたニーズにも対応できる体制を整えている。
同社は、眼粘膜刺激性試験にも注力している。ウサギを用いる眼粘膜刺激性試験法は、動物実験廃止の動きにより、代替法として公定化されているSTE法や3次元モデルを用いた眼粘膜刺激性試験に移行している。一方、口腔粘膜刺激性や膣粘膜刺激性については、安全性を確認する動物実験代替法は公定化されていないという。
「フェムケア製品が注目を集める中、眼粘膜刺激性試験を広義に粘膜刺激性試験としてデリケートゾーンに対する安全性確認を実施することも、安価であり、候補として提案していきたい」(安全性試験部 逸見敬弘部長)
同社は、乳幼児試験の取り組みも始めている。近年、成人だけではなく子供にも化粧品を用いる機会が増加している。また、子供の成長過程におけるスキンケア習慣は、アレルギー予防にもつながる可能性が指摘されている。
試験では幼児(3歳未満)、乳児(1歳未満)、新生児(1カ月未満)から20名が試験品を28日間使用し、皮膚所見を皮膚科医師が判定する。同社は新生児(1カ月未満)にも対応している点が特徴であり、生まれたばかりの新生児の肌でも安全に使用できることを確認することが可能だ。
このほか、東京農工大学との共同研究成果を使用した、化粧品に配合される機能性成分の皮膚浸透評価受託試験の受注を開始するなど、同社は幅広い試験提供に取り組んでいる。
逸見部長は、消費者ニーズがエビデンス重視に変わりつつある中で、「顧客ニーズを満たす最適な提案を行い、さらに幅広い分野に注力していきたい」と語った。
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この記事は週刊粧業 2024年1月29日号 7ページ 掲載
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