DVの避難所や限界集落でも実施
メンタルケアメーク21 (東京) は、都内近郊の高齢者や障害者施設30カ所ほどを拠点に、メイクセラピーのボランティア活動を行っている。
定期的に実施している高齢者や障害者施設のほか、DVの被害者女性が一時的に避難するシェルターにも訪問。心のケアや社会復帰のサポートをしている。一昨年には韓国に足を運んでケアに当たった。過疎化が進む限界集落での活動にも力を入れている。
以前は化粧品メーカーに勤めていた代表の田島みゆきさんが、メイクボランティア活動を始めたのは十数年前。個人で老人ホームを訪問したのがきっかけだった。
そんな中、母親がガンを患う。「高齢者」と「美容」「母親の死」が一瞬にして重なり、メイクセラピーを広めることを自らのライフワークにすることを決意する。
その後、2001年にメンタルケアメーク21を設立。現在は、田島さんが大学などで実施する講座の受講生43人で活動している。会員の最高齢は73歳男性で、翻訳家や消防士、美容師などの個性溢れるメンバーが揃う。
田島さんの講座は、メイク技術だけでなく、高齢者心理や介護施設、介護保険制度の仕組みにまで踏み込んだ幅広い分野をカバーする。メイクに不慣れな参加者が大半を占める現場では、コミュニケーションの取り方も大事な要素になるからだ。
田島さんは、メイクによる心理的な効果は絶大だと語る。高齢者が最初に示す「私みたいな年寄りがメイクしても…」という悲観的な反応は、メイク後には「あら、私もなかなかイケてるじゃない」と変化し、周囲の「キレイになったね」という褒め言葉が、参加者に自信を与えるという。
さらに、施設内にとどまり、いずれ訪れる死と向き合う高齢者が、「明日は口紅を塗ろうかしら」と明日を見つめる効果があるとも。田島さんは「これが大きい」と力を込める。
こうした心理的効果が世間にも認知され、メイクセラピーへの見方は、田島さんが活動を開始した当初と比べ随分変わり、メディアに取り上げられる機会も増えた。類似団体も各地で産声を上げ、田島さんは活動の広がりを実感している。
ただ、ボランティア精神で支えられている活動は、資金面での課題を抱えている。活動を続けるためには、「企業による支援も必要」 と、田島さんは窮状を訴えた。
「高齢者や障害者問題に目を向けるきっかけになれば」。田島さんはそれでも、メイクセラピーを通して訴え続ける。
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この記事は週刊粧業 掲載
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