訪販ジャーナル
カンタンに言うと
ハーバー研究所 (本社=東京) が発表した2011年3月期第2四半期決算は、 売上高54億8700万円で前年同期比6.2%増、 営業損失1億6700万円 (前年同期は5100万円の営業利益)、 経常損失1億8500万円 (同5600万円の経常利益)、 四半期純損失は2億7500万円 (同1億8500万円の純損失) となった。
売上総利益を前年同期比8.4%増 (3億4900万円の増加) とする一方で営業損失を計上した背景を説明すると、 前期後半から数カ年ぶりで新規顧客の獲得戦略を積極化していることにより広告販促費を前年同期比142.9%の18億3800万円投下したほか、 販売費及び一般管理費が同114.0%の46億3700万円に達するなどのコスト配分が直接的に影響した。
また、 四半期純損失の増加は資産除去債務や来春の本社移転に係わる臨時償却費など特別損失9400万円を計上したことが本業とことなる面で影響している。
11月25日に都内で開催した決算会見において、 体調不良の小柳昌之会長兼社長に代わって内容を説明した菅原壽憲代表取締役専務は、 攻めの営業策を反映したとと位置づける中間期のマイナス収支について 「プランどおりであり、 心配は要らない」 と述べて通期の目標達成に強い自信をのぞかせた。
当四半期のチャネル別売上高は、 構成比が70.0%の 「通信販売」 が38億4300万円で前年5.4%増と好調な推移を見せた。 購入単価の落ち込みを購入機会の増加がカバーして売上げの増大につなげたほか、 受注手段ではインターネットが伸びて7億2800万円 (前年同期比113.2%) となり通販全体に占める構成比を前年同期比で1.2P高い18.9%へ押し上げた。 菅原専務はインターネットのテコ入れに関し、 NTTの関連でコーディネーター職を務めた精通者を招聘したうえで、 今後は 「倍 (の売上高を) やってほしい」 とはっぱをかけるなど当チャネルへの注力ぶりを明らかにした。
また、 その他の販売チャネルは百貨店向け卸が前年同期比3%増の5億9600万円だったほか、 80%増と勢いづいた中国売りを含む 「その他卸売り」 が5億6300万円で同31.7%増と勢いを見せた。 競合に比べ遅れを取っている海外展開に関し、 菅原代表は今後にかけて代理店を介し 「インドを中心にその周辺に出て行く」 という販路拡大の方針を示した。
さらに、 商品ジャンル別の売上高に目を転じると、 看板の 「基礎化粧品」 が36億1100万円で前年同期比10.7%増と2ケタ成長で全体売上げを牽引した。 個別アイテムでは、 無料サンプルの活用で見込客誘導の先鋒役になった 「リフトアップセラム」 が好調だったほか、 若い世代の開拓を狙った 「ミクロフォースクレンジング」 が伸びて全体を底上げした。
一方で、 「メイクアップ化粧品」 が売上高5億9600万円で前年同期比12.0%減と2ケタの落ち込みを見た背景では、 旧品の在庫処分に際して行った割引販売が影響した点にプラス、 前年同期に行った美顔器のキャンペーン数字を当四半期売上げでカバーしきれなかった。 このほか、 子会社信州製薬の 「もち肌泡石けん」 がイトーヨーカ堂に採用された結果 「トイレタリー」 が2億8000万円で同22.4%増と製薬の買収効果が見え始めた。
売上高126億円 (前年同期比11.3%増)、 当期純利益6億5000万円 (同143.9%増) をめざす通期業績目標の達成については、 上半期に無料サンプルを使って名簿化した20万9000人の見込客による本品購入が鍵を握っている。
見通しについて菅原代表は 「今期に獲得した見込み客のうち、 まだ約70%が本品購入へ移行していない。 ここへ攻勢を仕掛けていく。 攻め続けて“刈り取り”へ移行しなければならない」 と述べて強い意欲を見せたほか、 第3四半期以降に急激な追い込みが必要な予想純利益の確保に関し 「堅い (数字だ) と思っている。 自信がある」 と語った。
さらに、 会見ではマスク姿の静観でサブスピーカー役に徹していた小柳会長兼社長は、 前半に投じた宣伝コストの費用対効果に質問が飛ぶと、 菅原代表を制して 「効果はある」 と代弁する一幕もあり、 同社が不退転の決意で下半期に挑んでいる様子が見えた。 一方で、 小柳社長は来春に実施する本社移転にあたり、 信州製薬と拠点をともにすることによる研究・開発基盤の充実を背に 「医薬品的なアプローチによる商品を増やす」 という政策も明らかにした。
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