花王はこのほど、アジア地域を中心とした工業用製品に対する需要の増加に対応するため、花王インドネシア化学の新工場をジャカルタ郊外のカラワン工業団地に建設し、製造設備を増強する。
敷地面積は現工場の2倍となる約12万平方メートルで、新工場は2012年2月に着工、2013年1月から順次稼動開始する。
今回の増設計画では、主要生産品である界面活性剤の生産設備を新設し、現工場から移設する既存設備とあわせて、界面活性剤の年産能力を現在の約1.5倍に増強する。
新工場では、香粧品などの原料に使用する界面活性剤や産業用化学製品を製造。初期総投資額は40億円超を見込んでいる。また、新工場においても、省エネや環境に配慮し、ガス・コジェネレーションシステムを導入するなどCO2排出量削減を進める。なお、ジャカルタ郊外タンブンにある現工場は、2014年12月末までに移転を完了し、新工場へ統合する。
現在、花王インドネシア化学で製造している工業用製品は、アジア経済の成長に伴い、インドネシア国内・輸出向けとも需要が伸長している。
香粧品分野を含む産業用の化学製品の需要は、さらなる拡大が見込まれる一方、現工場はフル稼動に近い状況にあり、現有敷地では将来の規模拡大に限界があることから、生産拠点の移転を決めた。建設地については、立地条件や各種インフラ環境が良好なことなどから、カラワン工業団地に決定。将来的にはさらなる設備の増設・拡張も視野に入れている。
花王インドネシア化学は、新工場建設により、アジア市場への界面活性剤の供給拠点としての機能の強化・拡充をはかり、各種産業用の化学製品の増産体制を整えることで、成長市場でのケミカル事業のさらなる拡大に努めていく。
花王インドネシア化学概況/社名=花王インドネシア化学 (英語名:PT. Kao Indonesia Chemicals)▽設立年=1977年▽代表者=西尾英之▽出資比率=花王㈱95%、その他5%▽事業内容=各種界面活性剤、産業用薬剤の製造販売
この記事は週刊粧業 掲載
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