2011年の男性用化粧品市場(スタイリング剤、シャンプー・リンス、フェイスケア、ボディケア、育毛・スカルプケア、シェービング剤)は、前年と同規模の1100~1200億円程度となった。市場調査会社や各メーカーの分析をもとに週刊粧業がまとめた。震災の影響で消費マインドが冷え込む中、堅調な動きを見せたと言える。若年層を中心に男性の身だしなみ意識は高まっており、フェイスとボディケアの伸びが高く、スカルプケアなど新たな成長カテゴリーも姿を現している。
◎フェイスケア(225~230億円)
フェイスケアは前年並みの水準だったが、洗顔料と化粧水、ペーパー商材の売れ行きが好調で、各社各ブランドとも、使用率の拡大が見込める有望市場と捉えている。
特に若年層のケア意識の高まりは顕著で、「オキシー」(ロート製薬)が美白シリーズを投入するなど新たな動きも出始めている。
◎ボディケア(175億円規模)
ボディケアは、最大の伸び幅で約10%増となった。
ボディソープの需要拡大がその一因で、一昨年の発売後にヒットを記録した「アックス」(ユニリーバ・ジャパン)を筆頭に、市場は1.5倍ほどに膨れ上がった。
また、節電意識の高まりを背景に制汗デオドラント分野の販売が伸長したことも大きい。
最大手マンダムの調査によると、市場規模は約17%上昇。中でもペーパーが約25%の伸びを示し、剤型別売上構成比でトップだったスプレータイプを初めて上回った。
また、「ギャツビー」(マンダム)が発売した新剤型のローションタイプも市場規模を2倍超に押し上げるなど、剤型の多様化が進んでいる実態も鮮明になっている。
さらに、冷却効果を強めたアイスタイプ商材が販売を伸ばし、30~40代の使用率が高まったことも特徴的だった。
制汗デオドラント製品もフェイスケア同様に使用率は低く、ペーパーでさえ30%に満たない。マンダムを追うメーカーの動きも活発化し、市場はさらに拡大していくものとみられる。
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この記事は週刊粧業 掲載
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