大阪樟蔭女子大学、国内大学院初の「化粧ファッション学専攻」を2013年4月に開設

カンタンに言うと

大阪樟蔭女子大学、国内大学院初の「化粧ファッション学専攻」を2013年4月に開設

 化粧ファッションを学問として体系づけ、研究者を増やすことで業界の発展、ひいては豊かな社会生活の実現に寄与したい――。この思いから、大阪樟蔭女子大学(本部=大阪府)は、2013年4月に、大学院に共学制の「化粧ファッション学専攻(修士課程)」を開設する。化粧学とファッション学を研究できる国内初の大学院であり、専攻長には同分野における第一人者の北山晴一教授を迎え、化粧を含めた「よそおい」に関する学問体系の確立を目指す。

 大学院では、文化的背景や心理学、医学など様々な側面から化粧ファッション学にアプローチしていく。主なターゲットを社会人に据えており、特に美容専門学校の講師などに働きかけていく。社会人対応のため、昼夜間開講制をとった。

 「技術的に優れた専門学校の先生でも、文化的背景や科学的根拠などの知識を習得して、自分の技術力を深めたいという方も増えている。院で研究することで、技術と知識を身につけたエキスパートになっていただきたい」(北尾和信教授)

 研究の大きな柱は、衣類や化粧品具などの「モノ」、着衣、メーク、美容などの「よそおい行為」、身体や心について考える「人間」の3つ。そこから産業、文化芸術、福祉といった様々な領域に研究を発展させている。

 「化粧ファッションは今まで注目されてこなかったが、人間生活そのもの、社会全体を網羅する大きな広がりを持つ学問だ。研究を深めることで業界のみならず、社会の発展にも寄与できると考えている」(川野佐江子講師)

 同大の学部では、開学以来90年以上の長きにわたって化粧とファッションをトータルに学ぶ被服学科を展開してきた。学科は被服学専攻と化粧学専攻の2専攻に分かれ、さらに化粧学専攻では化粧文化コースと美容コースに分けて専門性の高い人材の育成に注力している。

 「少子高齢化が進む日本は、今後、QOL(生活の質)の向上や、福祉のあり方について考えていかなければならない。社会全体と関わりがある化粧ファッション学が、ここにきてようやく日の目を見ることになると期待している」(北尾教授)

 観念的要素が多いこの学問は、確固たる研究の土台づくりを進めている途中段階にある。さらに、大学院の開設は全国初ということもあり、研究の可能性は未知数だという。

 「社会人の方の場合、教員にはない経験も積んで来られた。互いの知識を共有することで、化学反応が起き、新しい切り口から研究が生まれるかもしれない」(川野氏)

 日本顔学会や乳房文化研究会などの学会に所属し、最近では化粧文化研究者ネットワークを立ち上げた北山教授を通じて、今後は化粧、ファッション領域の研究者や業界との繋がりをさらに深め、研究成果を社会にフィードバックできる体制も構築していく。

■化粧ファッション学専攻説明会
10月25日(木)18時~20時(全体説明〔1回目:18時~/2回目:19時~〕)
説明会では、化粧ファッション学専攻での研究内容や入試のことなどについて、個別相談の時間を設けるなどして詳しく説明する。(電話:06-6723-8274)

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