ポーラ・オルビスホールディングスは、2009年10月に創業80周年を記念してポーラ銀座ビルをリニューアルオープンして以降、「美容」「美術」「美食」という3つのコンセプトを掲げ、新鮮な驚きを発信し続けてきた。
中でも、ポーラ ミュージアム アネックスは、「美術」の一翼を担っており、銀座という街で多くの人に芸術を通して美意識・感性を磨いてもらいたいという想いから、気軽にアートを体感できるよう、年間を通じて無料で企画展を実施している。
直近では3月1日まで、塩を使ったインスタレーション(場所や空間全体を作品として体験させる芸術)を制作し、日本のみならず海外でも注目を集めている山本基氏の個展「原点回帰」を開催している。
そこで今回は、ポーラ ミュージアム アネックスのCSR活動について、ギャラリーの企画運営を担当している松本美貴子ディレクターに話を伺うとともに、若手芸術家の山本基氏にこうした取り組みに対する率直な感想を語ってもらった。
パッケージデザインへの
抜擢により本業にも波及効果
――ポーラ ミュージアム アネックス設立の経緯を教えてください。
松本 当社グループでは創業以来、女性たちの美しくありたいという願いを叶えることを使命としており、内面からも美を磨く機会を提供するべく、ポーラ美術館を運営する公益財団法人ポーラ美術振興財団の活動を支援し、その別館という位置づけでポーラ ミュージアム アネックスを自社で運営しています。
ポーラ美術館では、モネやルノアールなど印象派を中心としたコレクションを展示しているのに対して、ポーラ ミュージアム アネックスでは、現代アートを中心に若手芸術家の作品を紹介しています。
ポーラ美術振興財団が若手美術家の海外での研修を助成する活動を1996(平成8)年より行っていることもあり、彼らの帰国後の発表の場として企画展を年に1度、開催しています。
――若手芸術家を支援する理由は。
松本 若手芸術家の中には、現代アートを手掛けている人が多く、銀座で気軽に最先端のアートを楽しんでもらう機会を提供していくことには意義があると考えています。
実際、ポーラ美術振興財団で助成を受け、海外で研修を行った若手芸術家の方で、帰国後にポーラ ミュージアム アネックスにおいて企画展を行い、その後、商品パッケージ等の制作に携わってもらった例もあります。
また、海外で研修した後に、作品を披露する場があるということは、若手芸術家の方々にとってストーリーとして理解しやすいですし、モチベーションの向上にもつながると思います。
化粧品は、モノという側面だけではなく、文化的な側面も有しており、アートとは密接につながっていますので、本業とのコラボレーションも次第にできつつあります。
――作家や作品はどのような基準で選んでいますか。
松本 若手芸術家の活躍を応援することが活動の根底にはありますが、多くの女性が「見てみたい」と思うような旬な作品を展示したり、季節に合わせた企画展を行うなど、ジャンル・ターゲットを特定せず、いろいろな作品を発掘しようと常にチャレンジしています。
また、ターゲットとなる女性のお客様に気軽にアートを楽しんでもらいたいということが活動の趣旨ですので、難解なものではなく、純粋に楽しめるような作品を選ぶことを心掛けています。
――今後、取り組んでいきたい活動は。
松本 今後は、海外の若手芸術家との取り組みを積極的に推進していきたいと考えており、現在、リサーチを行っています。
日本での活動と同様、芸術家を通じて当社グループを、あるいは当社グループを通じて芸術家を知ってもらう機会を増やしていきます。海外でも本業とのコラボレーションができるようにしていくことが当面の目標です。
当社グループは長期ビジョンにおいて「高収益グローバル企業」を目指していますが、アートの世界でもグローバル化を意識しながら幅広く展開していく方針です。
資金援助から発表の場の提供まで
一気通貫の取り組みに共感の声
――若手芸術家を代表して、ポーラ・オルビスホールディングスの若手芸術家を支援する一連の取り組みについて率直にどういう印象を持たれていますか。
山本 日本において若手芸術家を支援する活動を本格的に行っている企業はごくわずかであり、海外での研修のための助成金や奨学金はもとより、帰国後の発表の場まで支援しようというポーラさんの姿勢・取り組みには、本当に頭が下がります。
本来であれば、企業からのサポートがなくてもきちんと自立できる形をとっていくのが理想ですが、それがなかなかできないといった現実があります。
日頃からポーラさんの企業理念には共感していましたので、企画展の話を持ちかけられたときは、正直嬉しかったです。
この記事は週刊粧業 掲載
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