ポーラ横手社長、「独自価値」を基点にポーラブランドの価値向上へ

C&T 2016年3月15日号 74ページ

カンタンに言うと

ポーラ横手社長、「独自価値」を基点にポーラブランドの価値向上へ
 ポーラは昨年11月30日、新社長に横手喜一氏を抜擢し、中長期的な経営改革に取り組む意向を「新ブランド戦略」を打ち出すことで明らかにした。新経営陣には、横手社長を筆頭に40代の若手が揃う。

 託されたのは、近年、めまぐるしく変化する社会や市場、消費者ニーズに対し、迅速にその変化へ対応できる強固な組織づくりである。

 その組織づくりの中核となる「新ブランド戦略」に詰め込んだ様々な改革について、横手社長に話を伺った。

業態変革から10余年、新ステージへの挑戦
顧客との関係づくりが無限に広がる業態へ

 ――昨年11月に「新ブランド戦略」を発表されました。改めてその戦略についてお聞かせください。

 横手 当社は2005年より、エステサロンと化粧品販売を融合させた新業態「ポーラ ザ ビューティー」(PB)を立ち上げ、顧客との接点を従来の訪問型から誘客型へとシフトさせてきた。

 PBは630店舗(2015年12月現在)に広がり、売上構成比も全体の4割以上を占めている。取り組んできた業態変革が近年の安定成長の支えとなっている。

 業態を進化させ続けて約10年、その間に生活者のライフスタイルも大きく変化し、その変化のスピードも年々早まってきている。エステ業界も化粧品業界も、接客品質をさらにハイレベル化することを求められているなど市場環境もこの10年で様変わりした。

 そうした社会や時代の変化に対応しながら変革を進めてきたからこそ、今の成長につながっていると言えるが、これから先もスピードの速い変化に対応できるか。組織拡大に頼らない成長ドライバーをつくれるか。改めて成長の本質を追求していくと、まだまだ取り組むべきことがたくさん存在していた。

 対面販売によるお客様と向き合うビジネスモデルを展開する化粧品会社として、新たな成長ステージへと入っていくには、様々な変化のスピード感にも対応しながら、今一度、社会や時代、そしてお客様が求めている高い品質のサービスを提供するよりプロフェッショナルな組織をつくれる体制や仕組みを見直し、整える必要があった。

 しかしながら、いくら体制や仕組みを整えたところで、それを社会に伝えていく者たちが活動の中で企業に備わる価値を意識していなければ無駄な取り組みである。

 「新ブランド戦略」では、ポーラが創業から大切に継承している企業価値を当社で働く社員やビューティーディレクター(以下、BD)が認識し、その価値を意識しながら活動するような風土を築いていくことを目指し、1年以上前から80年以上にわたってポーラが培ってきた価値を掘り下げ、それらを鮮明化する作業を進めてきた。

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