サイエンスコスメ最前線、フロンティアスピリットを体感せよ

C&T 2016年12月15日号 43ページ

カンタンに言うと

サイエンスコスメ最前線、フロンティアスピリットを体感せよ
 2016年秋、米国・フロリダで開催された「第29回IFSCCオーランド大会」のポスター発表において、資生堂が6大会連続で最優秀賞を受賞した。

 また、ポーラは、業界でもいち早く「オートファジー」の理論を取り入れた商品を「B.A」から展開していたが、その「オートファジー」の研究が先ごろノーベル生理学・医学賞を受賞し、結果的に開発製品が最先端の技術を採用していたという裏付けとなった。

 2016年を振り返っただけでも、日本の化粧品の研究開発力が世界トップレベルにあると言えるのではないだろうか。

 今特集では、上記のような最先端の科学技術を取り入れ、開発されている「サイエンスコスメ」の歴史と進化についてビューティサイエンティストの岡部美代治氏にインタビューを行い、国内メーカー5社の最新のサイエンスコスメを紹介する。

90年代「美白」、00年代「アンチエイジング」の
2大ブームでサイエンスとの結びつきが強固に

 ――日本の化粧品市場において、いつ頃から「サイエンス」領域の研究が注目されてきたのでしょうか。

 岡部 化粧品市場が大きく成長した1970年代前半頃だろう。それ以前から、メーカー各社は化粧品の肌への有効性に関する研究を進めていたが、処方の成り立ち、原料の有効性など製品研究が進み、その研究成果を利用した化粧品が台頭してきた。

 背景には、化粧品の「安全性」が問われはじめたこともある。急速な市場成長の中、皮膚トラブルの声が大きくなってきたのだ。そのような混沌とした時代に、化粧品はサイエンスとの結びつきを強くしていった。

 80年代に入ると様々な業界で「バイオテクノロジー」の考えが浸透し、化粧品業界も多分に漏れず、「バイオテクノロジー」を活かした化粧品の開発が進んだ。

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