コーセー、IFSCC中間大会で新たな三次元皮膚モデルを発表

カンタンに言うと

  • ポスター部門318テーマの中でトップ10入り果たす
コーセー、IFSCC中間大会で新たな三次元皮膚モデルを発表
 コーセーは、9月30日~10月2日にイタリア・ミラノで開催された「第25回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)中間大会」にて、皮膚・薬剤研究室 フランス分室の寺村崇氏が「ヒトの皮膚老化を再現した新たな皮膚モデルの開発」というタイトルで、自然老化の再現が可能な新たな三次元皮膚モデルの開発について発表し、ポスター部門の318テーマの中から、トップ10に選ばれた。

 これは、コーセーとフランス 国立リヨン市民病院(Hosipices Civils de Lyon)のオディール ダムール(Odile DAMOUR)博士、日本薬科大学 加治和彦客員教授との共同研究の成果であり、今後は、皮膚の自然老化メカニズム解明に向けた研究を進めていく。

 従来の皮膚における自然老化のメカニズム研究においては、同一人物の皮膚老化を長期間にわたり検証することは難しく、異なる人物の間で比較することが主流だったが、遺伝子背景が異なる二者間の比較では、皮膚の変化が自然老化によるものなのか遺伝子の差によるものなのかが明確にならないという問題があった。

 また、同一の遺伝子で評価する場合には、これまでは皮膚から細胞を単離し、培養する手法がとられてきたが、細胞培養では平面上での解析しかできず、実際の生体環境である立体的な解析ができないという問題があった。

 そこで今回の研究では、加治教授の有する同一供与者由来の異なる年齢で得られた線維芽細胞に着目し、若齢細胞(36歳)と老齢細胞(72歳)を用い、ダムール博士の開発した再構築三次元皮膚モデルの真皮層に導入することで、遺伝子背景が同一で年齢の異なる三次元皮膚モデル、すなわち自然老化を再現させた皮膚モデルの開発に成功した。

 その皮膚モデルによる解析の結果、真皮構造が加齢に伴い菲薄化(真皮が薄くなり、肌が痩せ細って見える)していることを見出した。

 今後、今回開発されたモデルを活用し、さらに皮膚の自然老化メカニズム解明に向けた研究を進めていく。
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